炭水化物とは-炭水化物の種類と分類

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炭水化物は、単糖を構成成分とする有機化合物の総称です。五大栄養素の1つでエネルギー源となる重要な栄養素です。炭水化物は糖質とも呼ばれ、糖質には様々な種類の糖が存在します。糖質といえば甘いものや砂糖を思い浮かべる方が多いようですが、イモ類のデンプンやご飯、パン、麺類、アルコール類、乳製品、果物などにも含まれます。

炭水化物の分類は下記のようになります。

  • 糖質(食物繊維ではない炭水化物)
  • 食物繊維

 

炭水化物の種類(糖質)

糖質は単糖類を基本にして、単糖類が2~10個程度結合した状態の少糖類、多数の単糖類がくっついた状態の多糖類の3種類に分けることができます。炭水化物は、組成式 Cm(H2O)n からなる化合物で、単糖ある いはそれを最小構成単位とする重合体です。化学的特徴、物理学的特徴、生理学的特徴によって分類できます。化学的特徴である重合度によって分類すると、糖類(重合度が 1 又は2)、少糖類(重 合度 3~9)、多糖類(重合度 10 以上)に分類されます 。糖類はさらに、単糖類、二糖類に分かれ、 単糖類にはブドウ糖、果糖、ガラクトースがあり、二糖類にはしょ糖、乳糖、麦芽糖等があり、少糖類はマルトオリゴ糖(α─グルカン)とブドウ糖以外の単糖類を含むオリゴ糖に分かれます。多糖類はでんぷんと非でんぷん性多糖類に分かれ、前者にはアミロースやアミロぺクチンがあり、後者 にはセルロース、ヘミセルロース、ぺクチン等があります 。また、生理学的分類では人の消化酵 素で消化できる易消化性炭水化物と消化できない難消化性炭水化物に分類できます。食物繊維という名称は生理学的な特性を重視した分類法によるものですが、食物繊維の定義は国内外の組織間で 少しずつ異なっている 。通常の食品だけを摂取している状態では、摂取される食物繊維のほとん どが非でんぷん性多糖類です。

 

単糖

単糖はそれ以上加水分解されずこれ以上分解できない最小構成の糖類です。主なものはブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)等があります。

ブトウ糖(グルコース)
糖の一種で代表的な単糖の一つです。デキストロース とも呼ばれます。ブドウ糖は活動するために欠かせないエネルギー源の1つで、 特に脳にとっては主なエネルギー源となります。ブトウ糖はオリゴ糖や多糖の構成単位でブドウ糖を構成単位とする多糖の総称をグルカンといいます。食事から摂取された炭水化物は小腸でブドウ糖となり吸収されます。

果糖(フルクトース)
果糖は単糖類の一種で果実や蜂蜜木に成る果実ベリー類、メロン、ある種の根菜に多量に含まれ、精液にも微量に含まれています水に溶けやすい性質で糖の中では最も甘味が強い特徴があります。甘みは糖類中最高で砂糖の1,5倍ほどあります。その他に血糖値が上がりにくく、代謝が速いため肥りやすいといわれています。

果糖はスポーツドリンクには果糖が高い比率で用いられています。これは運動によって体内に入った果糖の消費が促進されるためです。ただし運動によって果糖が消費されるのは果糖の摂取後に運動をする場合のみのため、運動後に果糖を摂取しても果糖の消費は促進されません。

 

少糖

単糖が2個〜10個程度が縮合したものでオリゴ糖とも呼ばれます。単糖の結合した数により、特に二糖、三糖などという場合もあります。代表的なのはブドウ糖と果糖が結合したショ糖(砂糖)、ブドウ糖とガラクトースが結合した乳糖(ラクトース)、ブドウ糖2個が結合した麦芽糖(マルクトース)、等があります。少糖にはビフィズス菌などの腸内善玉菌を増やす効果がある事が確認されており健康食品に利用されています。

ショ糖(スクロース)
主にサトウキビや甜菜などから生成されるショ糖はブドウ糖と果糖が結合した二糖類の一種です。代表的てな食品としてのショ糖を主成分にもつ砂糖があります。水に溶けやすい性質を持っています。

乳糖(ラクトース)
乳糖は、二糖類の低甘味度甘味料でショ糖の0.4倍の甘味をもっています。牛乳や母乳など哺乳類のミルクに含まれます。母乳に含まれる乳糖の一部は乳児の腸内のビフィズス菌を増やす働きがあります。乳糖には善玉菌を増やしたりおなかの調子を整えたりカルシウムの吸収を良したりする特徴があります。

麦芽糖(マルトース)
麦芽糖はブドウ糖が2つ結合したもので水飴の主成分です。大麦にも多く含まれており、大麦自身のデンプンを大麦の持つβ-アミラーゼが分解することで麦芽糖を生成することができます。このため、ビールの製造に必要な原料でもあります。特徴として、砂糖に比べてカロリーが少ないこと、体への吸収が遅いため血糖値の上昇が緩やかであることが挙げられます。ダイエットの甘味料として使われることもります。

 

多糖類

単糖分子が多数重合した物質の総称です。代表的なものは多数のブドウ糖が結合しているデンプン(イモ類や穀物)、多数のブドウ糖が結合しているグリコーゲン(動物デンプン)、多数のブドウ糖が結合しているセルロースなどがあります。

 

デンプン(澱粉)
デンプンは高等植物の葉緑体で光合成により生成され、種子や球根などに多く含まれています。有名なものとしたは穀類やイモ類に多く含まています。デンプンは構造によってアミロース・アミロペクチンに分けられます。アミロースは分子量が比較的小さく、アミロペクチンは分子量が比較的大きいという違いがあります。アミロースは熱水に溶ける性質があります。アミロペクチンは熱水に溶けない性質があります。デンプンを食べた場合、口の中で麦芽糖、次に小腸でブドウ糖に分解され体に吸収されます。

グリコーゲン
グリコーゲンは動物における貯蔵多糖として知られているため動物デンプンとも呼ばれます。。動物の体内に存在する多糖類で、デンプンに似た構造で単糖類のブドウ糖が多数結合したものです。グリコーゲンは肝臓と骨格筋で主に合成され貯蔵されます。特に肝臓には約1日分のグリコーゲンが蓄えられていて、必要なときにブドウ糖に分解されエネルギーとして使われます。人の肝臓には約100gのグリコーゲンが含まれ、約600kcalのエネルギーに相当するエネルギーを持っています。

 

炭水化物の種類(食物繊維)

人の消化酵素によって消化されず、食物に含まれている難消化性成分の総称です。多くは植物性、藻類性、菌類性食物の細胞壁を構成する成分です。化学的には炭水化物のうちの多糖類であることが多い傾向にあり、大半の食物繊維はセルロースです。

食物繊維は大きく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられます。水溶性食物繊維は水に溶けやすい種類の食物繊維です。体内で消化後にゲル状になります。不溶性食物繊維は水に溶けにくい性質をもつ食物繊維です。ほとんどの場合、体内で消化吸収はされません。水溶性食物繊維は、食後の血糖値の急激な上昇の抑制や、コレステロールの吸収を抑制する作用があり、不溶性食物繊維は、大腸の蠕動運動を促す作用があります。

セルロース
植物細胞の細胞壁および植物繊維の主成分で、天然の植物質の1/3を占め、地球上で最も多く存在する炭水化物でです。冷水にも熱水にも溶けず、ヨウ素溶液を加えて紫に色に変えるヨウ素デンプン反応も示しません。不溶性食物繊維に分類されます。セルロースは単糖類のブドウ糖が多数結合しており、不溶性で水との相性が良いが体内で分解されることはありません。ただし、粉末にした場合を除きます。
セルロースは食品としての食物繊維だけでなく様々な製品に使用されています。例えば、セルロースナノファイバーといったナノレベルの極細繊維して自動車のボディー、日焼け止めなどの化粧品などに使用されています。

 

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