必須ミネラルの種類と働き一覧

健康辞苑アイコン 鉄(鉄分)

ミネラルは有機物に含まれる4元素の炭素、水素、窒素、酸素以外の必須元素のことで、無機質ともいいいます。糖質脂質たんぱく質ビタミンと並び五大栄養素の1つとして数えられています。ミネラルは体の構成成分になったり、体内の機能や代謝などの生命活動を維持したりする役割を担っていいます。しかし、必須ミネラルは人の体内で作ることは出来ないため、食事などで摂取する必要があります。

ミネラルの種類は多く、100種類以上あるといわれています。 現在のところ人の体に必要とされるミネラルは16種類とされ、日本では13元素(亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・ヨウ素・リン)が健康増進法に基づく食事摂取基準の対象として厚生労働省により食事摂取基準が定められています。

 

必須ミネラルの種類・分類

必須ミネラルは健康のために必要なミネラルです。ミネラルには約100種類ありますが、なかでも体内で様々な働きをする栄養素で食事による摂取が不足しがちなミネラルのことを必須ミネラルといいます。現在29種類がわかっていますが、人間の体に必要なものは16種類になります。基本的にはこの16種類のミネラルのことを必須ミネラルと呼びます。人体に含まれる量によって、主要ミネラル7種類と微量ミネラル9種類に分けられています。

主要ミネラルはカルシウム・リン・カリウム・硫黄・塩素・ナトリウム・マグネシウムで、微量ミネラルは鉄・亜鉛・銅・マンガン・クロム・ヨウ素・セレン・モリブデン・コバルトです。必須ミネラルのうち、塩素・硫黄・コバルト以外の13種類については、日本人の食事摂取基準で摂取量の指標が定められています。なお、厚生労働省の報告書では主要ミネラルのことを多量ミネラルと表記しています。

主要ミネラル(多量ミネラル)

体内に比較的多く存在し、1日あたりの必要摂取量が100mg以上のミネラルを主要ミネラル(多量ミネラル)と言い、カルシウム(Ca)、リン(P)、カリウム(K)、硫黄(S)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、塩素(Cl)の7種類とされています。

微量ミネラル

体内に存在する量が極めて少なく、1日あたりの必要摂取量が100mg以下のミネラルを微量ミネラルと言います。亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、セレン(Se)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ヨウ素(I)、コバルト(Co)の9種類とされています。

 

必須ミネラル一覧と種類・働き

以下は厚生労働省が基準値を定めるミネラル一覧と一般的に知られているミネラルです。

 

必須ミネラル名称種類働き
ナトリウム(Na)主要ミネラル主に血圧を調整する働きがあります。体内の水分量の調整、細胞機能の維持、筋肉の収縮・弛緩、神経機能を維持する働きもあります。

ナトリウム(食塩)の機能・役割と食事摂取基準
ナトリウム(塩分)の効果・効能
カリウム(K)主要ミネラル主に血圧の上昇を抑制する働きがあります。細胞外液に存在するナトリウムとバランスをとりながら、細胞の維持、細胞の浸透圧の維持、酸とアルカリ平衡化、神経伝達、血圧の調整、過剰なナトリウムの抑制と尿として排泄する働きもあります。

カリウムの機能・役割と食事摂取基準
カリウムの効果・効能
カルシウム(Ca)主要ミネラル主に骨・歯を形成する働きがあります。その他、血液の凝固の補助、神経や筋肉の興奮を抑える働きもあります。

カルシウムの機能・役割と食事摂取基準
カルシウムの効果・効能
マグネシウム(Mg)主要ミネラル主に骨や歯を強くし、酵素の働きを助ける働きがあります。骨組織や血漿、赤血球、筋肉中の各組織に存在します。エネルギー代謝、筋肉の働きの調整、イライラの解消、血液凝固の補助、体温調整、血圧調整、インスリン分泌の促進、たんぱく質の合成補助、核酸の合成補助などの多くの役割があります。

マグネシウムの機能・役割と食事摂取基準
マグネシウムの効果・効能
リン(P)主要ミネラルカルシウムやマグネシウムと共に骨・歯の構成する成分であり、代謝を助ける働きがあります。筋肉、脳、神経などの様々な組織に含まれ、筋肉の収縮を補助し、神経伝達や心臓、腎臓などを正常に動かす役割をしています。

リンの機能・役割と食事摂取基準
リンの効果・効能
塩素(Cl)主要ミネラル胃液中の胃酸に塩酸として含まれています。塩酸は胃液を酸性に保ち、摂取した食物を殺菌、消化酵素のペプシンを活性化する働きがあります。

※厚生労働省による食事摂取基準なし
硫黄(S)主要ミネラルタンパク質やアミノ酸の構成要素として骨・軟骨・皮膚・髪の毛・爪などを作る働きがあります。

※厚生労働省による食事摂取基準なし
鉄(Fe)微量ミネラル赤血球のヘモグロビンに多く含まれ、造血の働きがあります。その他、貧血の予防効果、代謝を正常にする効果、抗菌効果、免疫機能を維持する効果などがあります。

鉄(鉄分)の機能・役割と食事摂取基準
鉄(鉄分)の効果・効能
亜鉛(Zn)微量ミネラル生殖機能を高め、ホルモン合成を活性化させる働きがあります。その他、成長、発育、味覚に関与し、傷を治す効果もあります。

亜鉛の機能・役割と食事摂取基準
亜鉛の効果・効能
銅(Cu)微量ミネラルヘモグロビン生成を助け、骨格に多く含まれます。エネルギー生成、鉄代謝、赤血球や白血球細胞の成熟、細胞外マトリクスの成熟、神経伝達物質の産生、活性酸素の除去、骨の形成、成長を補助する働きがあります。

銅の機能・役割と食事摂取基準
銅の効果・効能
マンガン(Mn)微量ミネラル骨や関節を作り、丈夫にする働きがあります。その他、糖質や脂質の代謝に働く酵素や、抗酸化作用のある酵素など多くの種類の酵素の構成成分として体の機能の維持に関係しています。

マンガンの機能・役割と食事摂取基準
マンガンの効果・効能
ヨウ素(I)微量ミネラル甲状腺ホルモンを構成し、その機能を助けるたり、代謝を高める働きがあります。その他、成長ホルモンにも深く関連し、皮膚や毛髪を健康にするほかに脳や神経系の働きにも影響を及ぼします。

ヨウ素の機能・役割と食事摂取基準
ヨウ素の効果・効能
セレン(Se)微量ミネラル抗酸化力が高く、老化を防ぐ働きがあります。甲状腺ホルモンの代謝においても重要な役割を担っています。

セレン(セレニウム)の機能・役割と食事摂取基準
セレン(セレニウム)の効果・効能
クロム(Cr)微量ミネラルリンパ節、歯、肺に多く存在しています。クロムは、代謝、血圧、コレステロール値を下げる働きに関わます。

クロムの機能・役割と食事摂取基準
クロムの効果・効能
モリブデン(Mo)微量ミネラル酸化酵素の補酵素としてその働きを助けます。特に尿酸の合成や老廃物の分解に関わります。

モリブデンの機能・役割と食事摂取基準
モリブデンの効果・効能
コバルト(Co)微量ミネラルビタミンB12の構成元素として存在するミネラルで、悪性貧血を予防、神経の機能を正常に保つ働きがあります。

※厚生労働省による食事摂取基準なし

 

 

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