リンの種類・分類

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リンは、有機リンと無機リンに大別できます。生体内に含まれるリンの量は体重の1%といわれ、体重70Kgの成人で700mgです。血中では0.3%に過ぎず、大部分は骨や軟部組織に存在し、骨細胞外液中に存在するリンは全体の1%以下になります。

 

有機リン

食材にもともと含まれているリンに多いのが有機リンです。血中では約70%が有機リンであり、有機リンのほとんどがリン脂質として存在します。リンの大部分は骨や軟部組織に存在し、たんぱく質や脂質、糖などと結合した炭素−リン結合を含む有機化合物の総称の有機リン酸化合物として、すべての細胞に存在します。細胞成分として、リン脂質、核酸、ATP、細胞膜やリンたんぱく質などの構成成分となり、高エネルギーリン酸化合物などの多くのリン酸エステルとして体内に存在します。有機リンは腸管から体内に吸収される割合の吸収率が20~60%ほどになります。植物性食品で20~40%、動物性食品では40~60%です。有機リンには、リンアミド類、リンアミド類、リンタンパク類、リン脂質類などがあります。

 

無機リン

無機リンは、生体中ではカルシウムに次いで多い陰イオンである電解質です。食品添加物として大半を占めるリンに無機リンがあります。ウインナーやハムなどの食肉加工品、干物や練り物などの水産加工品、プロセスチーズ、インスタント麺、缶詰、ファストフードなど、ほとんどの加工食品に含まれています。生体中の無機リンの量の85%は骨に、約15%が軟部組織に存在しています。骨や歯では、その大部分が体内にあるリンの85%が無機リンとしてカルシウムやマグネシウムと結合し、リン酸カルシウム(ヒドロキシアパタイト)やリン酸マグネシウムなどとして骨組織や、骨格筋の構成成分として存在し、沈着しています。無機リンの残りは、たんぱく質や脂質や糖質と結合して存在するか、エネルギー源として広く体内に分布しています。細胞内無機リンの大部分は有機リン酸化合物として存在しますが、血液中では大部分が無機リンです。血中の無機リンの大部分はリン酸やリン酸塩として存在します。血清中の無機リンの約25%は、たんぱく質に吸着し、約75%は、遊離型で存在しています。体液中の遊離型無機リンは、PH調節、組織細胞内でのエネルギー代謝、窒素代謝などの基礎的代謝に重要な役割を果たしています。血液中の無機リン濃度は、活性型ビタミンD3が腸管での吸収を促進し、副甲状腺ホルモンが尿細管での再吸収を抑制して、調整されています。その他、骨からの血液中への移行なども無機リン濃度に影響します。無機リンは、腸管からの吸収率が高い傾向があり、90%以上とされています。無機リンは一般に水溶性で分子量が比較的小さいものが多い傾向があります。排出される場合、無機リンは、約60%が腎臓から尿の中に、残りは腸から便として排泄されます。そのため、腎不全などの腎機能障害があると尿中への排泄がうまくいかずに血液中の無機リンが高値になります。無機リンには、オルトリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、オキシリン酸塩などがあります。

 

 

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