必須ミネラル亜鉛の過剰摂取による副作用(過剰症)

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亜鉛の場合、通常の食品において過剰摂取が生じる可能性はありません。亜鉛過剰症の報告は少なく、亜鉛自体の毒性は極めて低いと考えられますが、サプリメントや亜鉛強化食品の不適切な利用に伴って過剰な摂取が生じる可能性があります。症状は一般的な体調不良の症状と非常によく似ているため気づきづらいのが特徴の一つです。

 

亜鉛の摂取基準については必須ミネラル亜鉛の機能・役割と食事摂取基準を確認してください。

 

亜鉛過剰よる症状と病気

比較的軽度な急性の症状では胃障害、胃痛、めまい、吐き気、嘔吐、発熱がみられます。継続的に過剰摂取による慢性の症状では銅欠乏症、鉄欠乏症、貧血、免疫障害、神経症状、下痢、善玉コレステロールとよばれるHDLコレステロールの低下、汎血球減少、胃の不快感、低血圧、黄疸、腎機能障害、頭痛、発熱などの病状がでる可能性があります。

 

銅欠乏症

亜鉛と銅は同じ輸送体を取り合う関係にあるため、どちらかが過剰になるとその分もう一方の吸収率は低下する負の関係にあります。このため、過剰摂取は銅の吸収阻害による銅欠乏を起こす可能性があります。銅欠乏に伴い貧血、白血球の減少、成長障害、疲労感、筋肉の緊張低下、皮下出血、血管の損傷、心肥大、心血管系異常、免疫機能の低下、コレステロールや糖代謝の異常、色素沈着の低下が起こるか可能性があります。なお、ビタミンB12欠乏によっても銅欠乏がおこる可能性があります。

銅欠乏症については必須ミネラル銅の不足と生活習慣病と病気ご覧ください。

 

鉄欠乏症

亜鉛と鉄は同じ供給因子の輸送体を使い、さらに吸収因子もおなじであるためどちらかが過剰になるとその分もう一方の吸収率は低下する負の関係にあります。このため、過剰摂取は鉄の吸収阻害による鉄欠乏を起こす可能性があります。このため、貧血などの症状が出る可能性があります。

鉄欠乏症については必須ミネラル鉄(鉄分)の不足と生活習慣病や病気ご覧ください。

 

 

その他

亜鉛の吸収は腸管吸収で調節されており、腸管上皮に発現した亜鉛輸送体は適切な量の亜鉛を吸収し,亜鉛の過剰吸収を抑制しています。過剰な亜鉛の摂取を行った場合、体の機能で調整できなくなるため、吐き気、嘔吐、胃腸関連の体の症状としてでる場合があります。

銅や鉄のバランスが崩れ、活性酸素を除去するスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性の低下が確認されています。

主に亜鉛の過剰摂取による症状は銅や鉄の欠乏による貧血の症状である場合多いです。各貧血についての詳細は鉄と銅の貧血の項目を確認してください。

必須ミネラル鉄(鉄分)の不足と生活習慣病や病気

必須ミネラル銅の不足と生活習慣病と病気

 

亜鉛の不足・欠乏については以下をご覧ください。

必須ミネラル亜鉛の不足と生活習慣病と病気

必須ミネラル亜鉛の効果-効能と不足-欠乏の症状

 

 

 

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