マグネシウム過剰摂取による副作用(過剰症)

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サプリメント以外の通常の食品よって好ましくない健康への影響が発生したとするマグネシウムの過剰摂取の報告は今のところありません。マグネシウムは過剰摂取しても腸管からの吸収が抑制され、尿として排出、または、軟便・下痢を起こして排泄されます。このためマグネシウムの過剰摂取による副作用として過剰症になることは稀です。食品以外からのマグネシウムの過剰摂取によって過剰症になった場合、初期の症状として下痢になります。慢性状態では高マグネシウム血症になる可能性があります。また、腎臓の病気や腎臓の機能が低下している場合、マグネシウムの薬やサプリメントを摂取すると、血漿中のマグネシウム濃度が高くなり、副作用のリスクが高まります。症状として渇き、低血圧、傾眠、吐き気、嘔吐、精神混乱、筋力低下、筋脱力、運動失調、徐脈、昏睡、心臓発作、反射低下、昏睡、精神変化、錯乱、顔面紅潮、熱感、心電図異常、呼吸低下、呼吸停止などがあります。このほか、緩下剤や制酸薬を服用時には下痢の出現頻度が高い事が知られています。

 

マグネシウムの摂取基準についてはマグネシウムの機能・役割と食事摂取基準を確認してください。

 

マグネシウムの副作用(過剰症)

 

高マグネシウム血症

サプリメントや製剤で大量にマグネシウムを摂取すると高マグネシウム血症になる可能性が高まります。高マグネシウム血症は血液中のマグネシウム濃度が非常に高くなり、血中のマグネシウム濃度が4.9ml/dl以上の状態を指します。腎不全患者でマグネシウム塩を摂取している場合や、マグネシウムを含む薬の投与を受けている場合に発症するリスクが高まります。高マグネシウム血症の症状には、吐き気、立ちくらみ、倦怠感、下痢、脱力感、低血圧、呼吸障害があります。濃度が18.2ml/dlを超える重症の場合には、心停止や昏睡状態に陥ることもあります。

 

マグネシウム中毒

マグネシウム中毒は、血清マグネシウム濃度が1.74~2.61mmol/Lを超えた場合に発現します。症状は、血圧低下、悪心、嘔吐、顔面紅潮、尿閉、イレウス、抑うつ、筋力低下、倦怠感、呼吸困難、極度の低血圧、不整脈、心不全などが確認されています。腎機能障害や腎不全が認められる場合は、過剰なマグネシウムを排泄する能力が低下または失われるため、マグネシウム中毒のリスクが高まる傾向にあります。

 

薬との関係

医薬品では、腎機能が低下している場合、高齢者や便秘症患者、長期間の酸化マグネシウム製剤の経口摂取により、高マグネシウム血症を起こすことがあります。国内では酸化マグネシウム使用に関連する死亡を含む副作用症例が複数報告されています。

 

便秘薬(酸化マグネシウム)

酸化マグネシウムの作用は主に腸管内に限られ、体内には微量しか吸収されません。そのため、生じる副作用もほとんどが胃腸系の副作用になります。具体的な副作用としては、腹痛、下痢などが報告されています。酸化マグネシウムが効きすぎによる副作用だと考えられます。

 

制酸剤(炭酸マグネシウム/酸化マグネシウム)

下痢を引き起こしやすいマグネシウムに、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムがあり、制酸剤に含まれている場合があります。

 

 

マグネシウムの不足・欠乏については以下をご覧ください。

マグネシウムの不足と生活習慣病と病気

マグネシウムの効果効能と不足欠乏の症状

 

 

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