食事からたんぱく質を摂取する場合、以下のように分類され、それぞれ含まれているアミノ酸が異なる場合があります。
- 肉や魚、卵などの動物性たんぱく質
- 穀類や豆類などの植物性たんぱく質
たんぱく質は20種類存在するL-アミノ酸が鎖状に多数連結してできた高分子化合物の構成をもちます。構成するアミノ酸の数や種類や結合の順序によって種類が異なり、分子量約4000前後のものから、数千万から億単位になるまで多種類が存在します。また、アミノ酸の種類などによって機能が異なるため、機能面でもたんぱく質を分類することができます。
たんぱく質の種類(摂取元による分類)
たんぱく質は摂取元により動物性たんぱく質と植物性たんぱく質に分類できます。
動物性たんぱく質
動物性たんぱく質は主に動物から摂取でき、魚介類を含む動物由来のたんぱく質のことを指します。肉類、魚介類、卵、乳製品などに含まれています。動物性たんぱく質の体内での吸収率は約97%です。
植物性たんぱく質
植物性たんぱく質は主に植物から摂取でき、植物由来のタンパク質のことを指します。米、小麦、大豆、種類によっては野菜や果物にも含まれているものがあります。植物性タンパク質体内での吸収率は約84%です。
たんぱく質の種類(アミノ酸)
アミノ酸は20種類あり、これらを組み合わせてできるたんぱく質の種類は無数にあります。アミノ酸には、体内で合成できるものとできないものがあります。体内で合成できない9種類を必須アミノ酸または不可欠アミノ酸といい、食事からとる必要があります。
必須アミノ酸
必須アミノ酸には以下の9種類があります。
- ヒスチジン
- イソロイシン
- ロイシン
- リジン
- メチオニン
- フェニルアラニン
- トレオニン
- トリプトファン
- バリン
上記以外のアミノ酸
必須アミノ酸以外のアミノ酸には以下の種類があります。
- アラニン
- アルギニン
- アスパラギン
- アスパラギン酸
- システイン
- グルタミン
- グルタミン酸
- グリシン
- プロリン
- セリン
- チロシン
たんぱく質の種類(機能的分類)
たんぱく質の生体における機能は多種多様で次のようなものがあります。
酵素たんぱく質
代謝などの化学反応を起こさせる触媒である酵素です。細胞内で情報を伝達する多くの役割があります。
構造たんぱく質
生体構造を形成するタンパク質でコラーゲン、ケラチンなどがあります。
輸送たんぱく質
酸素を運ぶ赤血球中のヘモグロビンや血液中に存在し脂質を運ぶアルブミン、コレステロールを運ぶアポリポタンパク質などがあります。何かを運ぶ機能を持つたんぱく質を輸送たんぱく質と呼びます。
貯蔵たんぱく質
栄養の貯蔵に関与するたんぱく質です。卵白中のオボアルブミンや細胞中で鉄イオンを貯蔵するフェリチンやヘモシデリンなどが貯蔵たんぱく質に該当します。
収縮たんぱく質
筋肉を構成する筋原繊維のアクチン、ミオシンなど。細長いフィラメントを構成し、互いが滑りあう事で筋肉の収縮や弛緩を起こすものを指します。運動に関与するたんぱく質です。
防御たんぱく質
免疫機能に関与する種類であり、抗体とも言われます。B細胞によって作られるグロブリンが防御たんぱく質に当たります。
調節たんぱく質
DNAのエンハンサーと結合して遺伝発現を調整するたんぱく質や、細胞内でカルシウムを使って他のたんぱく質の働きを調整するカルモジュリンなどが調節たんぱく質当たります。
その他のたんぱく質
蛍光に関わる提灯形状のたんぱく質であるGFPやRFPなどがあります。
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