たんぱく質の種類とは?動物性・植物性の違いと必須アミノ酸9種類、働きによる分類

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たんぱく質は、アミノ酸がつながってできた化合物で、炭水化物・脂質と並ぶ三大栄養素の1つです。この記事では、たんぱく質をどのように分けるのか、食品による違い、アミノ酸の種類、体の中での働きによる分類、単純たんぱく質と複合たんぱく質の違いを整理します。

定義や必須アミノ酸の考え方は、厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)のたんぱく質の章に基づいています。

 

たんぱく質とは

2025年版によると、たんぱく質は、20種類のL-アミノ酸がペプチド結合でつながってできた化合物です。たんぱく質は、ほかの栄養素から体の中でつくることができないため、食事から必ず摂る必要がある必須栄養素です。

たんぱく質の種類は、つながっているアミノ酸の数や種類、並ぶ順番によって変わります。分子量が4,000前後の小さなものから、数千万から億の単位になるものまで、たくさんの種類があります。アミノ酸のつながる数が少ないものは、ペプチドと呼びます。

体のたんぱく質は、いつも合成と分解をくり返しています。分解されてできたアミノ酸の一部は、尿素などとして体の外に出ていきます。そのため、たんぱく質は毎日の食事から補う必要があります。

 

動物性たんぱく質と植物性たんぱく質

食品から摂るたんぱく質は、どの食品から摂るかによって、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質に分けられます。

  • 動物性たんぱく質:肉、魚介類、卵、牛乳・乳製品などに含まれます。
  • 植物性たんぱく質:米や小麦などの穀類、大豆などの豆類に含まれます。

食品によって、含まれるアミノ酸の組み合わせが違います。食品のたんぱく質に必須アミノ酸がどれだけ含まれるかを評価する数値に、アミノ酸スコアがあります。アミノ酸スコアでは、基準に比べて最も少ない必須アミノ酸(第一制限アミノ酸)の値で食品を評価します。

どの必須アミノ酸が少なくなりやすいかは、食品の種類によって違います。WHO・FAO・国連大学の専門家会議の報告書(2007年)によると、多くの穀類ではリシン、豆類ではメチオニンなどの含硫アミノ酸(硫黄を含むアミノ酸)が少なくなりやすく、トウモロコシなど一部の穀類ではトリプトファンが、ほかの一部の穀類ではトレオニンが少なくなることもあります。同じ報告書では、卵、牛肉、牛乳、大豆は、どの必須アミノ酸も必要量より多く含むとしています。また、いろいろな食品を組み合わせた食事では、1つ1つの食品ではなく、食事全体に含まれるアミノ酸の量からアミノ酸スコアを計算するとしています。

たんぱく質の消化されやすさも、食品によって違います。2025年版では、食事摂取基準のもとになった実験で使われた良質な動物性たんぱく質は、ほぼすべてが利用されるとしています。一方、ふだんの食事のようにいろいろな食品を組み合わせた場合の利用効率は、成人で90%と見積もっています。旧版の記事では、動物性たんぱく質の吸収率を約97%、植物性たんぱく質を約84%としていましたが、2025年版の報告書では確かめられないため削除しました。

動物性と植物性のどちらを摂るかで、健康との関わりが違うという報告もあります。成人約72万人を追った研究をまとめた系統的レビューでは、植物性たんぱく質を多く摂る人ほど、死亡や心臓・血管の病気による死亡が少ない傾向がありました。ただし、これは観察研究の結果で、植物性たんぱく質そのものの効果と決まったわけではありません。

 

アミノ酸の種類

たんぱく質をつくる20種類のアミノ酸を、必須アミノ酸9種類と体の中でつくれる11種類に分けた図

たんぱく質をつくるアミノ酸は20種類あります。2025年版によると、人はこのうち11種類を、ほかのアミノ酸などから体の中でつくれます。残りの9種類は体の中でつくれないため、食事から摂る必要があります。この9種類を、必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)と呼びます。

必須アミノ酸(9種類)

  • ヒスチジン
  • イソロイシン
  • ロイシン
  • リシン(リジン)
  • メチオニン
  • フェニルアラニン
  • トレオニン
  • トリプトファン
  • バリン

このうち、ロイシン、イソロイシン、バリンの3つは、枝分かれした構造をもつことから分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれます(用語はWikipedia(分岐鎖アミノ酸)で確かめています)。

必須アミノ酸の量の目安は必須アミノ酸の推定平均必要量を確認してください。

体の中でつくれるアミノ酸(11種類)

必須アミノ酸以外の11種類は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン、チロシンです。

ただし、ふだんは体の中でつくれるアミノ酸でも、いつも足りるとは限りません。WHO・FAO・国連大学の専門家会議の報告書では、システイン、チロシン、グリシン、アルギニン、グルタミン、プロリンなどを、体の状態や病気によっては食事から摂る必要が出てくるアミノ酸(条件付き必須アミノ酸)として挙げています。

アミノ酸は、たんぱく質の材料になるだけではありません。2025年版によると、神経の情報を伝える物質やビタミンなど、体に大切な物質の材料にもなります。また、分解されるとエネルギー源としても使われます。

 

働きによるたんぱく質の分類

たんぱく質は、体の中での働きによっても分けられます。2025年版では、たんぱく質を、酵素やホルモンとして代謝を調節するもの、物質を運ぶもの、抗体として体を守るものなどとして説明しています。ここでは、Wikipedia(タンパク質)なども参考に、主な分類を紹介します。

分類 主な働き 例
酵素たんぱく質 代謝などの化学反応を進める 消化酵素など
構造たんぱく質 体の構造をつくる コラーゲン、ケラチン
輸送たんぱく質 血液の中で物質を運ぶ ヘモグロビン(酸素)、アルブミン、トランスフェリン、アポリポたんぱく質(脂質)
貯蔵たんぱく質 栄養素をたくわえる 卵白のオボアルブミン、鉄をたくわえるフェリチン
収縮たんぱく質 筋肉を縮めたりゆるめたりする アクチン、ミオシン
防御たんぱく質 抗体として体を守る γ-グロブリン(抗体)
調節たんぱく質 ほかのたんぱく質や遺伝子の働きを調節する カルモジュリン

筋肉を動かすアクチンとミオシンは、互いに滑り合うことで筋肉を縮めたりゆるめたりします。防御たんぱく質の抗体は、免疫の細胞の1つであるB細胞がつくります。

 

単純たんぱく質と複合たんぱく質

たんぱく質は、アミノ酸以外の成分を含むかどうかでも分けられます。アミノ酸だけでできているものを単純たんぱく質、アミノ酸以外の成分も含むものを複合たんぱく質と呼びます(用語はWikipedia(タンパク質)で確かめています)。

複合たんぱく質に結びつく成分は、主に糖とリン酸です。たとえば、赤血球の膜のたんぱく質につながる糖の鎖の種類によって、ABO式の血液型が決まります。

 

たんぱく質が不足すると

2025年版によると、たんぱく質が欠乏すると、クワシオルコル(カシオコア)という栄養障害が起こります。また、高齢者では、たんぱく質の不足が、筋肉が減って体が弱るフレイルやサルコペニアと関係すると考えられています。詳しくはたんぱく質と生活習慣病を確認してください。

1日に摂る量の目安はたんぱく質の機能・役割と食事摂取基準を確認してください。

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