モリブデンの効果・効能と不足欠乏の症状

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モリブデンは必須ミネラルの1つになります。人間の体内では酵素の構成成分となり、アルデヒドオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼなどの酸化酵素の補酵素としてその働きを助けます。特に尿酸の合成やエネルギー代謝に関わります。モリブデンは貧血の予防の効果が知られています。不足した場合、頻脈、多呼吸、頭痛などの症状が出る可能性があります。

 

モリブデンの効果・効能

 

造血・貧血の予防

モリブデンは、鉄の利用を促す酵素の構成成分の1つです。モリブデンは血液で鉄が不足した場合、肝臓に蓄えている鉄の運搬を補助し、造血を促す作用があります。この働きにより、モリブデンは鉄が不足して起こる鉄欠乏性貧血を予防することができます。鉄欠乏性貧血については鉄(鉄分)の不足と生活習慣病や病気を確認してください。

 

代謝

モリブデンはアルデヒドデヒドロゲナーゼや亜硫酸オキシダーゼの構成成分です。アルデヒドデヒドロゲナーゼはアルコールの代謝に必須な酵素で、代謝産物の酢酸は体内でエネルギーとして利用されます。亜硫酸オキシダーゼは生物のミトコンドリアに存在する酵素で、エネルギー代謝や合成に必要なアデノシン三リン酸の合成にも関与します。このため、モリブデンは体内で必要なエネルギーを作りだすのを助ける効果があります。

 

尿酸の生成

モリブデンはキサンチンオキシダーゼは尿酸合成に関わります。キサンチンオキシダーゼはプリン体が分解されて尿酸がつくられる時に関わっています。この酵素のはたらきが強くなると血液中の尿酸の量が増えて高尿酸血症となったり、増えた尿酸が関節で結晶化して痛風になる可能性があります。ただし、モリブデンが欠乏するとビタミンCが減少し、血中の尿酸値を高め痛風にかかりやすくなる可能性もあります。

 

アルコールの分解

モリブデンはアルコールを分解した時に発生するアセトアルデヒドという有害物質を無害化する酵素の補酵素にもなっています。このため、モリブデンはアルコールを分解する効果があるといえます。

 

食道ガンの予防

食物のモリブデン濃度が低い場所では、食道がんになる人が多いと研究報告があります。また、飲料用水中のモリブデン濃度が低い地域は、食道ガンによる死亡率が高いというデータもあります。

 

モリブデンの不足・欠乏の症状

モリブデンが不足した場合、貧血、疲労、尿酸代謝異常などの症状がみらます。静脈から栄養素を注入し栄養素の補給を行ったことが影響したモリブデンの不足の場合は、尿や血液中の尿酸が減少する、頭痛、神経過敏、昏睡、頻脈といった神経症状がおこる可能性があります。また、貧血、痛風、神経過敏、疲労、成長減退、発育不全、尿酸代謝異常、昏睡、夜盲症、食道がん、胃癌、虫歯、骨折、男性機能低下などで血中のモリブデンが低値の場合が多い傾向があります。

 

次の傾向や病気・症状に心当たりのある方はモリブデンが不足している可能性があります。

貧血

めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、疲れやすい、疲労,倦怠感、頭痛、顔色が悪い、寒さを感じやすい、耳鳴り、食欲不振などの症状が出る可能性があります。

 

 

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