モリブデンの機能・役割と食事摂取基準

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モリブデン(molybdenum)は、原子番号42、元素記号Moのクロム族元素の1つで微量ミネラルに分類されます。モリブデンは骨、皮膚、肝臓、腎臓に多く存在しています。体の維持に必要な必須ミネラルです。

 

モリブデンの機能・役割

モリブデンは複数の酵素の構成成分となっています。特にキサンチンオキシダーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、亜硫酸オキシダーゼが知られています。尿酸の合成やエネルギー代謝に関わります。

キサンチンオキシダーゼ
キサンチンオキシダーゼは尿酸合成に関わります。キサンチンオキシダーゼはプリン体が分解されて尿酸がつくられる時に関わっています。この酵素のはたらきが強くなると痛風になる可能性があります。ただし、モリブデンが欠乏するとビタミン C が減少し、血中の尿酸値を高め痛風にかかりやすくなる可能性もあります。

アルデヒドデヒドロゲナーゼ
アルデヒドデヒドロゲナーゼはアルデヒドをカルボン酸に変換する作用があります。アルコールの代謝に必須な酵素で、代謝産物である酢酸は体内でエネルギーとして利用されます。

亜硫酸オキシダーゼ
亜硫酸オキシダーゼは生物のミトコンドリアに存在する酵素です。亜硫酸オキシダーゼは毒性のある亜硫酸イオンを毒性の低い硫酸イオンに変換する解毒作用があります。また、エネルギー代謝や合成の重要な役目を果たしているアデノシン三リン酸ATPの合成にも関与します。

 

モリブデンの効果についてはモリブデンの効果効能と不足欠乏の症状をご覧ください。

 

モリブデンの食事摂取基準

モリブデンの食事摂取量は以下の通りです。

 

モリブデンの食事摂取基準(μg/日)(男性)

年齢等推定平均必要量推奨量目安量耐容上限量
0~5(月)2
6~11(月)10
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)2025550
30~49(歳)2530550
50~69(歳)2025550
70以上(歳)2025550

 

モリブデンの食事摂取基準(μg/日)(女性)

年齢等推定平均必要量推奨量目安量耐容上限量
0~5(月)2
6~11(月)10
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)2020450
30~49(歳)2025450
50~69(歳)2025450
70以上(歳)2020450

 

妊婦のデータはありません。

 

※数値未入力の項目についてはデータがない、またはデータ不足のため未記載となっています。

 

モリブデンを取得できる食物

豆類、穀類、レバーに多く含まれます。

 

モリブデンが不足した場合の影響

モリブデンは通常の食生活で不足することはほとんどありません。長期間の完全静脈栄養施行などで不足した場合、頻脈、多呼吸、頭痛などの症状が出る可能性があります。

 

モリブデンの不足・欠乏については以下をご覧下ください。

モリブデンの不足と生活習慣病と病気

モリブデンの効果効能と不足欠乏の症状

 

モリブデンの過剰摂取

モリブデンは穀類や豆類に多く含まれることから、極端な菜食の場合に摂取量が多くなる傾向があります。しかし、モリブデンは過剰摂取してもその多くが排泄されるため、通常の食生活で過剰症が問題となることはほとんどありません。モリブデンの急性症状では、下痢、胃腸障害、昏睡状態、心不全になる可能性があります。慢性症状では、高尿酸血症痛や関節の痛みなどの風様症状を観察したという報告があります。

 

モリブデンの過剰摂取についてはモリブデンの過剰摂取による副作用(過剰症)を確認してください。

 

 

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