モリブデンの不足と生活習慣病と病気

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モリブデンは、キサンチンオキシダーゼ、アルデヒドオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼの補酵素として機能しています。先天的にモリブデン補欠因子や亜硫酸オキシダーゼを欠損する症例では、亜硫酸の蓄積に よって脳の萎縮、機能障害、痙攣、精神遅滞、水晶体異常などが生じて新生児期に死に至る場合が多くあります。モリブデンをほとんど含まない高カロリー輸液を完全静脈栄養により18か月間投与されたクローン病患者では、血漿メチオニンと尿中チオ硫酸の増加、血漿尿酸、尿中尿酸、尿中硫酸の減少、神経過敏、昏睡、頻脈、頻呼吸などの症状が確認されています。これらの症状が モリブデン酸塩の投与で消失したことから、この症例はモリブデン欠乏だと考えられますが、モリブデン欠乏に関する報告で確認できたものは1例のみです。この他のデータでは貧血、痛風、神経過敏、疲労、成長減退、発育不全、尿酸代謝異常、昏睡、夜盲症、食道がん、胃癌、虫歯、骨折、男性機能低下などで血中のモリブデンが低値の場合が多い傾向があります。

 

生活習慣病

モリブデンが生活習慣病の発症予防及び重症化予防に関連するという報告は見当たりません。

 

貧血

モリブデンは、鉄の利用を促す酵素の構成成分の1つです。モリブデンは血液で鉄が不足した場合、肝臓に蓄えている鉄の運搬を補助し、造血を促す作用があります。このため、モリブデンの不足は鉄欠乏性貧血をおこす可能性があります。鉄欠乏性貧血については鉄(鉄分)の不足と生活習慣病や病気を確認してください。

 

 

モリブデンの摂取基準についてはモリブデンの機能・役割と食事摂取基準を確認してください。

モリブデンの過剰摂取についてはモリブデンの過剰摂取による副作用(過剰症)を確認してください。

 

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