健康な人では、ふつうの食事でマンガンが不足することはほとんどありません。人のマンガン不足については研究が十分でなく、はっきりしていないことが多いミネラルです。
この記事では厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)や、国立健康・栄養研究所の情報をもとに、マンガンの不足で起こるとされることと、生活習慣病との関係をまとめます。
マンガンは不足しにくい
食事からのマンガンの不足は、世界的に見ても報告がありません。マンガンは穀物や豆類などの植物性食品に多く含まれ、日本人のマンガン摂取量はアメリカ人よりかなり多いとされています。日本の目安量は成人男性で1日3.5mg、成人女性で1日3.0mgですが、体格の違いを考えると、目安量の半分程度でも問題はないと考えられています。
マンガンの摂取基準については必須ミネラル-マンガンの機能・役割と食事摂取基準を確認してください。
マンガンが不足すると起こるとされること
マンガンが不足すると、骨格の異常、糖質や脂質の代謝の異常、生殖機能の低下、運動失調、皮膚の代謝の異常などが起こる可能性があると考えられています。ただし、どれもマンガン不足だけに見られる症状ではありません。
動物にマンガンの少ないえさを長く与えると、骨の異常、成長障害、妊娠の障害などが起こります。人では、マンガンを体の外に出しすぎてしまう遺伝子の変異があると、体内のマンガンが大きく減り、頭の形の左右差やけいれん、低身長などの生まれつきの障害が起こることが報告されています。
生活習慣病との関係
40~79歳の日本人約5万9千人を追跡した研究では、マンガンを最も多く摂っていたグループ(中央値1日10mg)は、最も少なかったグループ(中央値1日3.0mg)に比べて、心臓や血管の病気で亡くなるリスクが低くなっていました。同じ研究では、女性でマンガンを多く摂るほど2型糖尿病になる人が少なかったとされています。
一方、血液中のマンガン濃度と2型糖尿病の関係を調べた別の研究では、濃度が低すぎても高すぎても糖尿病のリスクが高くなっていました。
2025年版では、マンガンが生活習慣病の発症に影響する可能性はあるものの、目標量を決めるにはデータが足りないとされています。
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