必須ミネラル-マンガンの不足と生活習慣病と病気

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通常の食品でのマンガン摂取量の増減が生活習慣病の発症予防及び重症化予防に関連するという報告はみあたりません。マンガン欠乏症については研究が不十分です。ただし、糖尿病のリスクが考えられています。通常の食生活では起こらないと考えられていますが不足した場合の症状としては、骨格の異常、骨粗鬆症、生殖能力の異常、成長障害、妊娠障害、生殖能力の低下、生殖腺機能障害、平衡感覚異常、疲れやすくなる、インスリンの合成能力が低下による糖尿病、傷の治癒の遅延肌荒れなどが起こりやすくなることが考えられます。成長期の子どもでは、発育不良になる可能性があります。特に完全静脈栄養施行患者においては、欠乏する可能性のある栄養素の一つとして取り上げられています。

 

糖尿病

マンガンの不足は糖質代謝・グルコース代謝異常を起こす可能性があります。それに伴い、インスリンの合成を低下させることを示しているため、糖尿病のリスクが上がります。また、糖尿病患者の血中過酸化脂質は高値であると言われているため、活性酸素または脂質過酸化が関与しているという可能性が示唆されています。このため、活性酸素を除去するマンガンを含むマンガンスーパーオキシドジスムターゼがマンガン不足により減少することで糖尿病のリスクをあげる可能性も考えられます。

 

骨の異常・骨粗鬆症・成長障害

マンガンは骨の成分であるリン酸カルシウムの形成を促進させる働きがあります。また、マンガンは軟骨においてコラーゲンとともにその主成分を担っているプロテオグリカンの合成に重要な酵素です。このため、マンガンの不足は骨の異常、骨粗鬆症、成長障害を招く可能性があります。

 

生殖・性機能障害

マンガンは性ホルモンの合成に関わります。マンガンの不足では発情期の異常や欠如、妊娠率や出産児数の低下、精細管変性、精子欠如、不妊など、生殖能障害が種々の動物で観察されています。ただし、生殖機能に関わると考えられますが、人のデータは不足しているため人においての詳細はわかっていません。動物実験では、マンガンなしの餌でウサギを飼うと、子を産んでも育てないことから、マンガン不足は愛情志向がなくなると言われています。これはホルモンの影響が考えられます。また、ラットの動物実験において、マンガンが欠乏したラットは不妊になることがわかっています。雄では精巣の変性、雌では授乳が不可能といった症状が確認されています。鶏では卵の艀卵率の低下、ヒナの骨の発育の著しい低下が確認されています。このため、マンガンが不足した場合、性ホルモンや生殖機能に大きな影響を与え、生殖能力の異常、成長障害、妊娠障害、生殖能力の低下、生殖腺機能障害になると考えられています。

 

 

マンガンの摂取基準については必須ミネラル-マンガンの機能・役割と食事摂取基準を確認してください。

マンガンの過剰症にについては必須ミネラル-マンガンの過剰摂取による副作用(過剰症)をご覧ください。

 

 

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