必須ミネラル-クロムの不足と生活習慣病と病気

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クロムの不足は、運動失調、末梢神経障害、耐糖能低下、高コレステロール血症などを起こす可能性があります。症状には体重減少、錯乱、協調運動障害、血液中の糖分に対する反応低下などがあります。クロム欠乏症は先進国ではあまりありません。栄養摂取の低い子供はクロム欠乏症になる可能性があり、成長が不十分になることがあります。その他、クロムの尿中排出増加の原因となる単糖類を多く含む食事、感染症、激しい運動、妊娠と授乳、外傷、完全静脈栄養などで体内のクロムの量が減る場合があります。特にクロム欠乏の症状として、耐糖能低下が挙げれます。クロムはインスリンが体内でレセプターと結合するのを助ける働きをして耐糖因子を構成する成分です。このため、糖代謝の異常が起こり糖尿病の発症に至る可能性があります。

 

糖尿病(生活習慣病)

クロムはインスリンの効果を高めるオリゴペプチドの構成成分の1つです。体内に吸収されたクロムは吸収されたあと、アルブシンやトランスフェリンという糖たんぱくと結合して血液を通じて全身に運ばれ、体の中で糖質代謝など全身の代謝を助ける働きをします。特にクロムには、血糖値をコントロールするインスリンなどの分泌を助ける効果があり、糖尿病などの生活習慣病を予防する働きがあります。クロムが不足して耐糖能が低下した場合、高血糖となり、疲れや糖尿病を招く可能性があります。クロムのサプリメントと糖代謝の関連を検討した研究では、糖尿病患者へのクロムサプリメント投与は血糖値とヘモグロビンの改善をもたらす場合が多い報告があります。

 

高コレステロール血症(高脂血症)・肥満・動脈硬化(生活習慣病)

クロムは脂質代謝に関与します。脂肪細胞にある酵素のホスホチロシンホスファターゼを活性化させ血液中の中性脂肪やコレステロール値を正常に保つ働きがあります。このため、肥満、高脂血症、動脈硬化の予防に効果があります。

 

その他

クロムが添加されていない高カロリー輸液を3.5年間投与された40歳の女性において、体重減少、耐糖能低下、末梢神経の非炎症性変性、両側性錯感覚、運動失調、呼吸商の低下が出現した例があります。

 

 

クロムの摂取基準については必須ミネラル-クロムの機能・役割と食事摂取基準を確認してください。

クロムの過剰症については必須ミネラル-クロムの過剰摂取による副作用(過剰症)を確認してください。

 

 

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