ふつうの食品からクロムを摂りすぎることは考えられません。ただし、クロムのサプリメントの不適切な使い方で摂りすぎになる可能性があります。
なお、厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)では、クロムは必須の栄養素ではない可能性が高いとされています。目安量や耐容上限量はクロムのサプリメントが売られていることから示されているもので、サプリメントなどで積極的に摂ることを勧めるものではありません。
クロムの耐容上限量
成人の耐容上限量(これ以上摂ると健康障害のリスクが高まる量)は、男女とも1日500µgです。1日1,000µgの3価クロムを16週間与えた研究で、インスリンの効きはよくならず、むしろクロムの吸収量が増えるとインスリンが効きにくくなることを示す結果が出たことをもとに決められています。18歳未満の子どもと、妊婦・授乳婦の耐容上限量は決められていません。
クロムの摂取基準については必須ミネラル-クロムの機能・役割と食事摂取基準を確認してください。
サプリメントで摂るときの注意
クロムのサプリメントについて、2型糖尿病の人では血糖値やHbA1cがよくなる場合が多いものの、糖尿病でない人では、血糖値が高めの人を含めて、血糖値やHbA1cに何も影響がないと報告されています。糖尿病の人についても、最近の分析では効果はHbA1cの改善だけで限られており、使われているクロムの量が耐容上限量を上回る場合もあるとされています。
このため、2025年版ではクロムのサプリメントの利用は勧められないとされています。
MSDマニュアル プロフェッショナル版も、糖尿病の人は、糖尿病の専門医の管理のもとでなければクロムのサプリメントを使わないよう勧めています。また、クロムのサプリメントで筋肉が大きくなったり筋力が上がったりすることはないとしています。
クロムを摂りすぎたときの症状
国立健康・栄養研究所によると、ふつうの食事から摂るクロムは毒性の低い3価クロムで、吸収される割合も低いため、摂りすぎが問題になることはあまりありません。ただし、長い間摂りすぎると、吐く、下痢、腹痛、腎臓の尿細管の障害、肝臓の障害、血液をつくる働きの障害、中枢神経の障害が起こる可能性があるとされています。
6価クロムについて
食品に含まれるクロムは3価クロムです。6価クロムを摂りすぎると、腎臓、脾臓、肝臓、肺、骨にたまって毒性を示します。6価クロムは皮膚炎や肺がんの原因にもなります。ただし、6価クロムは人が工業的につくり出すもので、自然界にはほとんどありません。
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