ビタミンB1はエネルギーの代謝に深く関与するため、脳、神経、筋肉など様々な場所に症状がでる可能性があります。
ビタミンB1の不足による神経系の症状
倦怠感、動悸、息切れ、手足にしびれ、下肢のむくみなどが発生します。末梢神経の症状としては筋力低下、手足の感覚が鈍くなる、手足が動かしづらくなるなどがあります。ビタミンB1の神経系の病気で代表的な病気に脚気(末梢神経の症状)やウェルニッケ・コルサコフ症候群(中枢神経の症状)があります。
脚気
多発神経炎、浮腫(むくみ)、心不全(脚気心、脚気衝心)の3つが特徴です。初期症状には食欲不振、全身がだるく、特に下半身に倦怠感が生まれます。その後、足のしびれやむくみ、動悸、息切れ、感覚が麻痺するなどの症状があらわれます。進行すると手足に力が入らず寝たきりとなり、そのまま放置すると心不全を起こして死に至ることもあります。心不全の症状にもだるさ、動悸、むくみがあります。
ウェルニッケ・コルサコフ症候群
意識障害、眼球運動障害、小脳失調を特徴があります。ウェルニッケ脳症の症状として、認知機能の低下、記憶障害(物忘れ)、見当識障害(日付や場所がわからなくなる)、細かい眼の振るえ(眼振)、立ったり座ったりしたときに体がふらついて倒れてしまったり、手足を思う通りに動かせなくなることがあります。
ウェルニッケ脳症の後遺症であるコルサコフ症候群の症状としては記憶力が著しく低下することが挙げられます。健忘(物忘れ)、作話、見当識障害などが症状としてあります。
ビタミンB1の不足によるその他の症状
ビタミンB1は代謝に深く関与するため、神経以外にも脳、筋肉など様々な場所に症状がでる可能性があります。症状としては、疲労、倦怠感、イライラ、集中力の低下、食欲低下、むくみ、精神不安、短気、うつ、記憶力低下、肩こりや腰痛などが出る可能性があります。特にビタミンB1が不足すると糖質を効率的にエネルギーに変えることができなくなるため、疲労感や倦怠感・食欲不振を招きます。
ビタミンB1の症状まとめ
ビタミンB1の不足による症状は以下の通りです。
- 倦怠感、疲労、食欲低下、食欲不振
- 動悸、息切れ
- 手足にしびれ、手足の感覚が鈍くなる、手足が動かしづらくなる、感覚麻痺、細かい眼の振るえ(眼振)
- 浮腫(むくみ)
- 筋力低下、肩こり、腰痛
- 記憶力低下、認知機能の低下、物忘れ、見当識障害(日付や場所がわからなくなる)
- イライラ、集中力の低下、精神不安、短気、うつ
- 多発神経炎
- 心不全(脚気心、脚気衝心)
ビタミンB1の不足・欠乏による病気については以下を確認してください。
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