葉酸はp-アミノ安息香酸にプテリン環が結合し、もう一方にグルタミン酸が結合した構造で、プテロイルモノグルタミン酸を基本骨格とした化合物です。水溶性ビタミンに分類されます。天然に存在している葉酸は、グルタミン酸が1個から数個結合しており、その結合様式はγ(ガンマ)結合となっています。葉酸は狭義にはプテロイルモノグルタミン酸を指しますが、広義にはポリグルタミン酸型も含む総称名です。
葉酸の機能・役割
葉酸の補酵素型であるポリグルタミン酸型のテトラヒドロ葉酸は、一炭素化合物の輸送単体として機能します。葉酸は赤血球の成熟、アミノ酸の合成、アデニン、グアニンなどのプリン体、チミジン核酸の合成、ピリミジンの合成に関与しています。
葉酸の効果・効能については以下を確認してください。
葉酸の食事摂取基準
葉酸の食事摂取基準は以下の通りです。なお、耐容上限量はサプリメントや強化食品に含まれるプテロイルモノグルタミン酸(合成葉酸)の量で示されています。合成葉酸については天然葉酸と合成葉酸の違いを参考にしてください。
葉酸の食事摂取基準(μg/日)(男性)
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 |
---|---|---|---|---|
0~5(月) | ─ | ─ | 40 | ─ |
6~11(月) | ─ | ─ | 60 | ─ |
1~2(歳) | 70 | 90 | ─ | 200 |
3~5(歳) | 80 | 100 | ─ | 300 |
6~7(歳) | 100 | 130 | ─ | 400 |
8~9(歳) | 120 | 150 | ─ | 500 |
10~11(歳) | 150 | 180 | ─ | 700 |
12~14(歳) | 190 | 230 | ─ | 900 |
15~17(歳) | 210 | 250 | ─ | 900 |
18~29(歳) | 200 | 240 | ─ | 900 |
30~49(歳) | 200 | 240 | ─ | 1,000 |
50~69(歳) | 200 | 240 | ─ | 1,000 |
70以上(歳) | 200 | 240 | ─ | 900 |
葉酸の食事摂取基準(μg/日)(女性)
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 |
---|---|---|---|---|
0~5(月) | ─ | ─ | 40 | ─ |
6~11(月) | ─ | ─ | 60 | ─ |
1~2(歳) | 70 | 90 | ─ | 200 |
3~5(歳) | 80 | 100 | ─ | 300 |
6~7(歳) | 100 | 130 | ─ | 400 |
8~9(歳) | 120 | 150 | ─ | 500 |
10~11(歳) | 150 | 180 | ─ | 700 |
12~14(歳) | 190 | 230 | ─ | 900 |
15~17(歳) | 210 | 250 | ─ | 900 |
18~29(歳) | 200 | 240 | ─ | 900 |
30~49(歳) | 200 | 240 | ─ | 1,000 |
50~69(歳) | 200 | 240 | ─ | 1,000 |
70以上(歳) | 200 | 240 | ─ | 900 |
妊婦は以下の付加量が必要です。
- 推定平均必要量に+200μg/日
- 推奨量に+240μg/日
また、妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性がある女性は、神経管閉鎖障害のリスクの低減のために、付加的に400μg/日の葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)の摂取が望まれます。
葉酸を取得できる食物
レバー、豆類、葉もの野菜、果物に多く含まれます。
葉酸が不足した場合の影響
葉酸の欠乏症は、巨赤芽球性貧血です。また、妊婦に葉酸欠乏症があると、胎児の神経管閉鎖障害や無脳症を引き起こします。その他、動脈硬化の原因になるホモシステインの血清値を高くします。
葉酸の不足・欠乏については以下を確認してください。
葉酸の過剰摂取
通常の食品で100g当たりの葉酸含量が300μgを超える食品は、肝臓を除きありません。このため、通常の食品を摂取している人で、過剰摂取による健康障害が発現したという報告はありません。
葉酸の過剰摂取については以下を確認してください。
コメント