リンの働きとは?骨やエネルギーをつくる役割と、不足・摂りすぎの影響、腎臓病の人の注意

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リンは体の維持に必要な必須ミネラルです。成人の体には最大850gのリンがあり、その85%が骨に、14%が筋肉などの組織や細胞膜に、1%が細胞の外の液体にあります。

この記事では、リンの体の中での働きと、不足や摂りすぎのときに起こることを、厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)と、国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報(リン)をもとに整理します。

リンの摂取基準はリンの機能・役割と食事摂取基準を確認してください。

 

リンの効果・効能

骨や歯をつくる

リンは、カルシウムとともにハイドロキシアパタイトという結晶をつくり、骨や歯の成分になっています。

エネルギーをつくる

リンは、体のエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)の成分です。エネルギーの代謝や脂質の代謝などに欠かせません。

細胞や遺伝子の材料になる

リンは、細胞膜をつくるリン脂質や、DNAやRNAといった核酸の成分にもなっています。

 

リンの不足・欠乏の症状

リンはさまざまな食品に含まれているため、健康な人がふつうの食事で不足することはほとんどありません。

不足するのは、胃薬(制酸薬)の水酸化アルミニウムを長い期間飲み続けて、リンの吸収が妨げられた場合などです。不足すると、体が弱る、食欲がない、だるいといった症状のほか、体重の減少、骨軟化症やくる病、筋肉の萎縮、溶血性貧血などが起こる可能性があります。

MSDマニュアル家庭版によると、血液中のリンの濃度が低くなる低リン血症は、重い栄養不足(飢餓など)、糖尿病性ケトアシドーシス、重いアルコール使用症、重いやけどから回復していくときに、急に起こることがあります。また、副甲状腺機能亢進症、長引く下痢、利尿薬やアルミニウムを含む制酸薬の長い使用などで、時間をかけて低くなることもあります。軽い場合は骨がもろくなって骨の痛みや骨折が起こり、筋力や食欲が落ちることがあります。急に大きく下がると不整脈が起こることがあり、命にかかわります。

リンの不足についてはリンの不足と生活習慣病と病気を確認してください。

 

リンを多く含む食品

リンは、魚介類、牛乳・乳製品、豆類、肉類などに含まれます。また、加工食品では、リン酸塩などの食品添加物としてもよく使われています。

1食あたりのリンの量の例は次のとおりです(HFNetより。日本食品標準成分表2020年版(八訂)の値)。

  • 豚ヒレ(焼き)100g:380mg
  • きんめだい(生)70g:343mg
  • 鶏むね肉・皮つき(焼き)100g:300mg
  • ほっけ開き干し(焼き)80g:288mg
  • べにざけ(焼き)80g:272mg
  • 玄米ごはん150g:195mg
  • そば(ゆで)200g:160mg
  • 木綿豆腐150g:132mg
  • 納豆40g:76mg

2025年版の目安量は18歳以上の男性で1日1,000mg、18歳以上の女性で800mgです(妊婦・授乳婦も800mg)。2019(令和元)年の国民健康・栄養調査では、平均の摂取量は男性で1日1,079mg、女性で942mgでした。この調査には加工食品に添加されたリンの量が入っていないため、実際の摂取量はこれより多いと考えられています。

食品ごとの含有量はリンが多い食品ランキングを確認してください。

 

摂りすぎに注意

加工食品の添加物からもリンを摂っている可能性がありますが、どれくらいの量になるかはわかっていません。

リンを摂りすぎると、腸でのカルシウムの吸収がおさえられ、副甲状腺ホルモンが増えます。カルシウムの摂取量が少ない人がリンを多く摂ると、骨が溶ける働きが強まり、骨をつくる働きが弱まるという報告もあり、リンとカルシウムのバランスも大切だと考えられています。長い期間摂りすぎると、腎臓の働きが低下することも知られています。

成人の耐容上限量(これ以上摂ると健康障害のリスクが高まる量)は1日3,000mgです。

腎臓の病気がある人の注意

リンは主に腎臓から尿に出ていきます。MSDマニュアル家庭版によると、腎臓の働きが大きく低下するとリンを十分に出せなくなり、血液中のリンの濃度が高くなります(高リン血症)。透析を受けていても、リンはあまり取り除けません。

高リン血症では多くの場合症状が出ませんが、血液中のカルシウムが下がって筋肉がけいれんしたり、骨がもろくなったりすることがあります。また、リンとカルシウムの結晶が血管などにたまり(石灰化)、動脈硬化が進んで脳卒中や心臓発作につながることもあります。

治療では、リンの摂取量を減らす食事療法と、医師が処方するリン吸着薬(食事と一緒に飲み、リンの吸収をおさえる薬)が使われます。腎臓の病気がある人は、リンの摂り方について医師に相談してください。

リンの過剰摂取についてはリンの過剰摂取による副作用・過剰症を確認してください。

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