ビタミンC(アスコルビン酸)の正式な化学名は、(R)-3,4-ジヒドロキシ-5〔-(S)-1、2-ジヒドロキシエチル〕フラン-2(5H)-オンです。通称名はL-アスコルビン酸、あるいはアスコルビン酸で、水溶性ビタミンに分類されます。ビタミンCは食品中でもたんぱく質などと結合せず、還元型のL-アスコルビン酸(AsA)または酸化型のL-デヒドロアスコルビン酸(DAsA)として遊離の形で存在しています。
ビタミンCの機能・役割
ビタミンCは皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必須なビタミンです。また、抗酸化作用があります。ビタミンCは自らが酸化されることでラジカル(活性酸素など)を消去し、生体内でビタミンEと協力して細胞を保護する役割があります。
ビタミンCの効果・効能については以下を確認してください。
ビタミンCの食事摂取基準

ビタミンCの食事摂取基準は以下の通りです。数値は厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)に基づいています(2025年度から2029年度まで使用)。
推定平均必要量は壊血病を防ぐための最小量ではなく、血液中のビタミンC濃度から見て「良好なビタミンCの栄養状態を確実に維持できる量」として決められています。そのため、壊血病の予防に必要な量(1日10mg程度)よりもかなり多い値になっています。
ビタミンCの食事摂取基準(mg/日)
| 年齢等 | 男性 | 女性 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | |
| 0~5(月) | ─ | ─ | 40 | ─ | ─ | 40 |
| 6~11(月) | ─ | ─ | 40 | ─ | ─ | 40 |
| 1~2(歳) | 30 | 35 | ─ | 30 | 35 | ─ |
| 3~5(歳) | 35 | 40 | ─ | 35 | 40 | ─ |
| 6~7(歳) | 40 | 50 | ─ | 40 | 50 | ─ |
| 8~9(歳) | 50 | 60 | ─ | 50 | 60 | ─ |
| 10~11(歳) | 60 | 70 | ─ | 60 | 70 | ─ |
| 12~14(歳) | 75 | 90 | ─ | 75 | 90 | ─ |
| 15~17(歳) | 80 | 100 | ─ | 80 | 100 | ─ |
| 18~29(歳) | 80 | 100 | ─ | 80 | 100 | ─ |
| 30~49(歳) | 80 | 100 | ─ | 80 | 100 | ─ |
| 50~64(歳) | 80 | 100 | ─ | 80 | 100 | ─ |
| 65~74(歳) | 80 | 100 | ─ | 80 | 100 | ─ |
| 75以上(歳) | 80 | 100 | ─ | 80 | 100 | ─ |
※L-アスコルビン酸相当量として示しています。
妊婦・授乳婦は以下の量を上乗せ(付加量)して摂る必要があります。
- 妊婦:推定平均必要量に+10mg/日、推奨量に+10mg/日
- 授乳婦:推定平均必要量に+40mg/日、推奨量に+45mg/日
ビタミンCの摂取量と糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病の関係については、関連があるとする報告とないとする報告が混在しています。そのため、生活習慣病の予防を目的とした目標量は設定されていません。
ビタミンCを摂取できる食物
緑黄色野菜、果物などに含まれます。文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)増補2023年で、生の野菜・果物といもの100g当たりの量を比べると次のとおりです。ブロッコリーなど3品の生とゆでた後の量は次の見出しで比べています。
| 食品(可食部100g当たり) | ビタミンC(mg) |
|---|---|
| 赤ピーマン(生) | 170 |
| めキャベツ(芽キャベツ・生) | 160 |
| キウイフルーツ(黄肉種・生) | 140 |
| なばな(和種・生) | 130 |
| レモン(全果・生) | 100 |
| 青ピーマン(生) | 76 |
| にがうり(ゴーヤ・生) | 76 |
| キウイフルーツ(緑肉種・生) | 71 |
| かき(甘がき・生) | 70 |
| いちご(生) | 62 |
| オレンジ(ネーブル・生) | 60 |
| キャベツ(生) | 38 |
| うんしゅうみかん(生) | 32 |
| じゃがいも(皮なし・生) | 28 |
| トマト(生) | 15 |
| りんご(皮なし・生) | 4 |
キウイフルーツ(緑肉種)を100g食べると71mg、いちごを100g食べると62mgで、成人の推奨量(100mg/日)の6〜7割になります。果物は生のまま食べることが多いので、ゆでると量が減る野菜とあわせて摂ると、量を確保しやすくなります。
食品ごとの含有量は以下を確認してください。
調理や保存で減るビタミンC
国立健康・栄養研究所のHFNetでは、ビタミンCは調理の際の洗浄や加熱で失われやすく、調理による損失が大きいビタミンとして知られていると説明されています。食品に含まれる量も季節、輸送方法、店頭に置かれていた時間、保存方法、調理方法によって変わります。
文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)増補2023年で、生とゆでた後の100g当たりの量を比べると次のとおりです。
| 食品 | 生(mg/100g) | ゆで(mg/100g) |
|---|---|---|
| ブロッコリー(花序) | 140 | 55 |
| ほうれんそう(葉、通年平均) | 35 | 19 |
| こまつな(葉) | 39 | 21 |
同じ成分表では、ブロッコリーを電子レンジで調理したものは100g当たり140mgで、生と同じ値です。じゃがいも(皮なし)は生が28mg、水煮が18mg、電子レンジ調理が23mgです。ほうれんそうは夏採りの生が20mg、冬採りの生が60mgで、季節によっても量が変わります。
ビタミンCが不足した場合の影響
ビタミンCが不足すると、コラーゲン合成ができないため、血管がもろくなり出血傾向となります。また、ビタミンCが不足すると、壊血病になります。壊血病の症状は疲労倦怠、いらいらする、顔色が悪い、皮下や歯茎からの出血、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難などがあります。
ビタミンCの不足・欠乏については以下を確認してください。
ビタミンCの過剰摂取
通常の食品で100g当たりのビタミンC含量が100mgを超える食品は少しありますが、通常の食品を摂取している人で、過剰摂取による健康障害が発現したという報告は見当たりません。
ビタミンCは多く摂ると消化管からの吸収率が下がり、尿中への排泄量が増えるため、広い摂取範囲で安全と考えられています。そのため、耐容上限量(これ以上摂ると健康障害のリスクが高まる量)は設定されていません。
ただし、サプリメントなどで大量に摂る場合は注意が必要です。
- 1日に3~4gのアスコルビン酸を摂って下痢が起きたという報告があります。吐き気、下痢、腹痛といった胃腸への影響が、過剰摂取で最も多く見られます。
- 腎臓の機能に障害がある人が数g摂取すると、腎臓に結石(シュウ酸結石)ができるリスクが高まることが示されています。
通常の食品から摂ることを基本とし、通常の食品以外(サプリメントなど)から1日1g以上を摂ることはすすめられていません。
ビタミンCの過剰摂取については以下を確認してください。
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