ヨウ素の機能・役割と食事摂取基準

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ヨウ素(iodine)は原子番号53、元素記号Iのハロゲン元素の1つで微量ミネラルに分類されます。人体中のヨウ素の70~80%は甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンを構成します。体の維持に必要な必須ミネラルです。

 

ヨウ素の機能・役割

ヨウ素は甲状腺に多く、甲状腺ホルモンにも含まれます。ヨウ素を含む甲状腺ホルモンは、生殖、成長、発達等の生理的プロセスを制御し、エネルギー代謝を促進させる役割があります。また、甲状腺ホルモンは、胎児の脳、末梢組織、骨格などの発達と成長を促す働きもあります。

 

ヨウ素の効果については必須ミネラル-ヨウ素の効果効能と不足欠乏の症状を確認してください。

 

ヨウ素の食事摂取基準

ヨウ素の食事摂取量は以下の通りです。

 

ヨウ素の食事摂取基準(μg/日)(男性)

年齢等推定平均必要量推奨量目安量耐容上限量
0~5(月)100250
6~11(月)130250
1~2(歳)3550250
3~5(歳)4560350
6~7(歳)5575500
8~9(歳)6590500
10~11(歳)80110500
12~14(歳)1001401,200
15~17(歳)1001402,000
18~29(歳)951303,000
30~49(歳)951303,000
50~69(歳)951303,000
70以上(歳)951303,000

 

ヨウ素の食事摂取基準(μg/日)(女性)

年齢等推定平均必要量推奨量目安量耐容上限量
0~5(月)100250
6~11(月)130250
1~2(歳)3550250
3~5(歳)4560350
6~7(歳)5575500
8~9(歳)6590500
10~11(歳)80110500
12~14(歳)1001401,200
15~17(歳)1001402,000
18~29(歳)951303,000
30~49(歳)951303,000
50~69(歳)951303,000
70以上(歳)951303,000

 

妊婦の耐容上限量は2,000μg/日です。
また、妊婦には付加量が必要になります。

  • 推定平均必要量に+75μg/日
  • 推奨量に+110μg/日

 

※数値未入力の項目についてはデータがない、またはデータ不足のため未記載となっています。
※小児のデータはないため参照体重比を用いて目安量を算出しています。

 

ヨウ素を取得できる食物

海藻類、魚介類に多く含まれます。

ヨウ素を阻害する物質・食品
食品には甲状腺へのヨウ素蓄積を阻害し、甲状腺腫を起こす可能性があるゴイトロゲンといわれる化学物質があります。ゴイトロゲンにはアブラナ科植物などに含まれるチオシアネート、豆類に含まれるイソフラボンなどがあります。

 

ヨウ素が不足した場合の影響

ヨウ素は海藻類に多く含まれます。特に昆布に高濃度で含まれるため、日本人は世界でもまれに多くのヨウ素を摂取しています。このため、日本人においてヨウ素の不足・欠乏は極めてまれです。

不足した場合の影響としては、甲状腺刺激ホルモンの分泌亢進、甲状腺の異常肥大、甲状腺腫を起こし、甲状腺機能を低下があります。妊娠中のヨウ素欠乏は、死産、流産、胎児の先天異常及び胎児甲状腺機能低下による先天性甲状腺機能低下症になる可能性があります。

 

ヨウ素の不足・欠乏については以下を確認してください。

必須ミネラル-ヨウ素の不足と生活習慣病と病気

必須ミネラル-ヨウ素の効果効能と不足欠乏の症状

 

ヨウ素の過剰摂取

大量にヨウ素を摂取した場合、甲状腺ホルモン合成が低下し、軽度の場合には甲状腺機能低下、重度の場合には甲状腺腫が発生する可能性があります。

 

ヨウ素の過剰摂取については必須ミネラル-ヨウ素の過剰摂取による副作用(過剰症)を確認してください。

 

 

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