カリウムの効果とは?血圧・脳卒中との関係と代替塩の研究、腎臓病や血圧の薬を使う人の注意

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カリウムは体の維持に必要な必須ミネラルです。野菜や果物などに多く含まれていますが、加工や精製が進むほど含まれる量は少なくなる傾向があります。

この記事では、カリウムについて言われてきた効果と、現在わかっていることを、厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)の「ミネラル」と「高血圧」の章をもとに整理します。

カリウムの摂取基準はカリウムの機能・役割と食事摂取基準を確認してください。

 

カリウムの効果・効能

体液のバランスを保つ

カリウムは、細胞の中の液体(細胞内液)に多く含まれる陽イオンで、体液の浸透圧を決める重要な成分です。体液の酸性とアルカリ性のバランスを保つ働きもあります。

神経や筋肉の働きを助ける

カリウムは、神経や筋肉が刺激を伝える働きにも関わっています。そのため、カリウムが不足すると、力が入らない、食欲がないなどの症状や、神経や筋肉の障害が出ることがあります。

血圧を下げる・脳卒中のリスクを下げる

カリウムは、食塩による血圧の上昇をおさえる方向に働くと考えられています。2025年版の食事摂取基準によると、高血圧の人がカリウムを多く摂ると、血圧が下がることが示されています。また、カリウムの摂取量が多い人ほど脳卒中のリスクが低いという研究があります。一方で、心臓の病気(冠動脈疾患)のリスクとの間には、はっきりした関連は見られていません。

このため2025年版では、高血圧などの生活習慣病の予防のために、成人の目標量を男性1日3,000mg以上、女性1日2,600mg以上としています。食塩の一部を塩化カリウムに置きかえた代替塩で、血圧や循環器疾患のリスクが下がったという報告もあります。中国の農村で、脳卒中を起こしたことがある人や60歳以上で高血圧の人、約2万1千人を対象にしたランダム化比較試験では、食塩の4分の1を塩化カリウムに置きかえた代替塩を約5年使ったところ、脳卒中、心臓や血管の病気、死亡がいずれも少なくなりました。

食塩と血圧の関係は1日の食塩の目標量は何g?減塩で血圧はどれだけ下がるかを確認してください。

むくみ・利尿について

旧版の記事では、カリウムに利尿作用があり、むくみをおさえる効果があるとしていました。カリウムが体液のバランスに関わることは確かですが、カリウムを多く摂ってむくみがとれるという根拠は、2025年版の食事摂取基準には示されていません。むくみが続くときは、医師に相談してください。

 

カリウムが不足しやすい人

日本人のカリウムの摂取量は、目標量よりかなり少ないとされています。2025年版では、日本人の摂取量の中央値は1日2,211mgで、目標量(成人男性3,000mg以上、成人女性2,600mg以上)に届いていません。野菜や果物、芋、豆類をあまり食べない人は、カリウムが不足しやすくなります。

カリウムが不足すると、力が入らない、食欲がない、無関心、不安、イライラなどの症状が出ることがあります。

目標量に届かないことと、血液中のカリウムが低くなりすぎる低カリウム血症とは別のものです。MSDマニュアル家庭版によると、低カリウム血症が食事だけで起こることはまれで、主な原因は嘔吐や下痢、下剤の長い使用、利尿薬、副腎の病気、甘草(カンゾウ)の大量摂取などです。利尿薬を使っている人は、医師が血液中のカリウムを定期的に測ることがあります。

カリウムの不足についてはカリウムの不足と生活習慣病と病気を確認してください。

 

カリウムを多く含む食品

カリウムは、果物、野菜、芋、豆類、干物などに多く含まれます。

文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)増補2023年で、主な食品のカリウムの量(可食部100g当たり)を見ると次のとおりです。

食品 カリウム(mg/100g)
アーモンド(乾) 760
ほうれんそう(葉、通年平均、生) 690
干しがき 670
糸引き納豆 660
アボカド(生) 590
さつまいも(皮なし、生) 480
かつお(春獲り、生) 430
じゃがいも(皮なし、生) 410
バナナ(生) 360
まあじ(皮つき、生) 360
赤色トマト(生) 210
普通牛乳 150

カリウムは水に溶けやすいため、野菜をゆでるとゆで汁に出て減ります。生とゆでた後の量の比較はカリウムの働きと1日の摂取量は?の記事で、カリウムを多く含む食品はカリウムが多い食品ランキングで調べられます。

 

摂りすぎの注意(腎臓の病気がある人)

腎臓の働きが正常で、カリウムのサプリメントなどを使わない限り、カリウムを摂りすぎる心配は少ないと考えられています。そのため、耐容上限量(これ以上摂ると健康障害のリスクが高まる量)は決められていません。

ただし、腎臓に障害がある人は、血液中のカリウムが多くなりすぎる(高カリウム血症)おそれがあるため、カリウムを積極的に摂ることは避けるべきです。

血圧の薬のうちACE阻害薬・アンジオテンシンII受容体拮抗薬や、スピロノラクトンなどカリウムを体にためる利尿薬を使っている人も、尿からカリウムが出にくくなり、血液中のカリウムが高くなりやすいことが知られています。高カリウム血症が重くなると、不整脈が起こることがあります。こうした人はカリウムのサプリメントを使う前に、医師や薬剤師に相談してください。

代替塩を使うときも、腎臓に病気がある人は医師に相談してください。

カリウムの過剰摂取についてはカリウムの過剰摂取による病気・過剰症を確認してください。

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