ビタミンCの不足と生活習慣病・病気

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ビタミンCの不足は抵抗力が下がることによる風邪、壊血病、目に関する病気になることがあります。また、ビタミンCはコラーゲンの生成に関与しているため、骨の病気にもつながります。その他、ホルモンに関わる病気にも関連します。なお、喫煙者は非喫煙者と比較して1日のビタミンCの代謝回転が35㎎も多いと報告されており、体内の蓄積量を維持するためには35㎎は多めに摂取する方がいいとされています。

 

生活習慣病

種々の疾病発症に対するビタミンCサプリメントの有益な効果はいまだ明確になっていません。また、重症化に関連する論文もありませんでした。生活習慣病の病気に関しては参考としてください。

動脈硬化

ビタミンCには抗酸化作用があるため、ビタミンCを摂取することで活性酸素を無毒化する効果があります。コレステロールをとりすぎると血管内で活性酸素と反応して酸化LDLに変化し、酸化LDLが白血球の1種であるマクロファージに取り込まれ泡沫細胞となり、動脈壁に蓄積して動脈硬化の原因になります。また、ビタミンCには善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らしてコレステロール値を正常にする効果もあります。このため、ビタミンCが不足すると動脈硬化の原因になる可能性があります。

がん(胃がん)

ビタミンCには胃がんの原因の1つとされるニトロソアミンという物質を防ぐ効果があります。また、ビタミンCには抗がん剤にも使用されるインターフェロンの生成を促進する働きもあります。インターフェロンはがん細胞にも同じように働きかけ、細胞分裂を抑制してがん細胞の増殖を抑える働きがあります。このため、ビタミンCが不足すと胃がんのリスクが高まる可能性があります。その他、一部でビタミンCががんに有効という報告がありますが、明確な情報はありません。

 

風邪

ビタミンC摂取は、極度の運動、寒冷環境にいる人、高齢者、喫煙常習者のようにビタミンCの摂取状況が最低限である人々にとっては風邪の発症リスクが50%下がる報告があります。しかし、風邪症状の発現後にビタミンCを摂取しても効果は認められていません。なお、200mg/日以上のビタミンCの定期的な摂取によって一般集団における風邪の発症率が減少することは現在のところ示唆されていません。このため、ビタミンCの不足はビタミンCの摂取が最低限の人において、風邪をひくリスクが高まる可能性があります。

 

貧血(鉄欠乏性貧血)

ビタミンCはその還元作用により、非ヘム鉄をヘム鉄へと還元する効果があります。ヘム鉄は吸収率が15%~25%ほどで、非ヘム鉄は2%~5%のため、より効率的に鉄の吸収が促進されます。このため、ビタミンCが不足すると鉄の吸収率が下がり、鉄分の摂取が不足気味の人において鉄欠乏性貧血を起こす可能性があります。

 

骨粗鬆症

ビタミンCは体を構成するたんぱく質の30%を占めるコラーゲンの生成に関わります。コラーゲンは骨の形成にも関わるため、ビタミンCが不足すると骨粗鬆症になる可能性があります。

 

壊血病

壊血病は出血性の障害が体内の各器官で生じる病気で、皮膚や歯肉からの出血、貧血、衰弱などの症状があります。壊血病はビタミンCの不足よっておこり、ビタミンCの投与を行うことによって予防・治療ができます。ビタミンCを含まない食事を約60-90日間続けた場合、体内のビタミンCの蓄積総量が300mg以下になり、出血性の障害をもたらす壊血病を発症する可能性があります。このため、ビタミンCが不足すると壊血病になる可能性があります。なお、高頻度の喫煙者や食事が偏りがちな一人暮らしのお年寄りなどによくみられます。

 

白内障

白内障は透明であった目の水晶体が白く濁ってしまう病気です。ビタミンCは高い抗酸化作用で活性酸素が原因の白内障の予防効果があるとされています。研究では1日260mg以上のビタミンCの摂取で白内障の予防効果が得られたとの報告があります。

 

加齢黄斑変性(AMD)

加齢黄斑変性(AMD)は黄斑という組織が加齢とともにダメージを受けて変化し視力の低下を引き起こす病気です。ビタミンCの抗酸化作用が加齢黄斑変性(AMD)の発症に関与することは研究で示されていませんんが、いくつかの報告では抗酸化作用が加齢黄斑変性(AMD)の進行を遅らせることが確認されています。加齢黄斑変性(AMD)の人を対象にした研究では、高用量抗酸化作用の高いビタミンC:500mg、ビタミンE:400IU、βカロテン:15mg、亜鉛:80mg、銅:2mgの摂取で進行性加齢黄斑変性への悪化のリスクが28%低下した報告があります。ビタミンCの単独ではありませんが、ビタミンCの摂取により、加齢黄斑変性(AMD)の進行を遅らせる可能性があります。このため、ビタミンCが不足すると黄斑という組織がダメージ受けやすくなり、加齢黄斑変性(AMD)のリスクが高まる可能性があります。

 

うつ病

ビタミンCはアミノ酸の1種であるチロシンに作用して神経伝達物質であるノルアドレナリンの生成を助けます。ノルアドレナリンは覚醒、集中、記憶、積極性、痛みをなくするなどの働きがあり、ノルアドレナリンが不足すると無気力、無関心、意欲の低下、うつ病の原因となります。このため、ビタミンCが不足するとうつ気質になったり、うつ病が重症がする可能性があります。

 

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