ビタミンB12は摂りすぎても大丈夫?吸収の仕組みと耐容上限量がない理由

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ビタミンB12は、ふつうの食品を食べている人で摂りすぎによる健康障害が起きたという報告はありません。体には、ビタミンB12の吸収量を調節する仕組みがあるためです。

この記事では厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)や、国立健康・栄養研究所の情報をもとに、ビタミンB12を摂りすぎたときのことと、大量に摂るときの注意をまとめます。

 

吸収される量には限りがある

食品のビタミンB12が胃で内因子と結びつき、回腸で吸収されるまでの流れと、吸収できる量の限り

食品中のビタミンB12はたんぱく質と結びついています。胃酸などの働きで離れたビタミンB12は、胃から分泌される内因子と結びついて、小腸の終わりの部分(回腸)で吸収されます。この内因子によって、小腸で吸収される量が調節されています。

食事1回で吸収できるビタミンB12は、およそ2.0µgまでと推定されています。サプリメントで大量(1日500µg以上)に飲んだ場合も、吸収されるのはその約1%程度とされています。

 

ビタミンB12の耐容上限量

摂りすぎで健康障害が起きるという科学的な根拠がないため、2025年版ではビタミンB12の耐容上限量(これ以上摂ると健康障害のリスクが高まる量)は設定されていません。

ただし、耐容上限量がないことは、たくさん摂るほど体によいという意味ではありません。ビタミンB12を含む栄養機能食品は、1日に摂る目安の量に含まれるビタミンB12の上限が60µgと決められていて、「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。」という注意の表示が必要です(国立健康・栄養研究所 HFNet)。

ビタミンB12の摂取基準についてはビタミンB12の機能・役割と食事摂取基準を確認してください。

 

大量に摂ったときの副作用と注意

米国オレゴン州立大学ライナス・ポーリング研究所の解説によると、健康な人が食品やサプリメントからビタミンB12を多く摂っても、有害な影響は報告されていません。悪性貧血の治療では、1日2,000µgの飲み薬や月1回1mgの筋肉注射が、大きな副作用なく使われてきたとされています。

ただし、医薬品にも副作用の報告はあります。ビタミンB12の薬(メコバラミン、末梢神経障害に成人で1日1,500µg)の添付文書には、副作用として食欲不振、吐き気・嘔吐、下痢、発疹があげられています。効果が認められないのに何か月も使い続けないようにとも書かれています。

腎臓の働きが落ちている人は注意が必要です。同じ解説は、腎臓の病気がある人が高用量のシアノコバラミン(ビタミンB12の一種)を摂ることへの懸念があると紹介しています。糖尿病による腎臓病の患者238人を対象にしたランダム化比較試験DIVINeでは、葉酸2.5mg、ビタミンB6 25mg、ビタミンB12 1mgを毎日飲んだ人は、プラセボ(偽薬)の人より腎臓の働きの低下が大きく、心筋梗塞、脳卒中、死亡などを合わせた発生も約2倍でした。3種類を一緒に飲んだ試験なので、ビタミンB12だけの影響は分かりません。腎臓の病気がある人は、サプリメントを使う前に医師に相談してください。

 

上手に摂るには

吸収できる量に限りがあるため、1回にまとめて多く摂るよりも、毎食少しずつ摂るほうが望ましいとされています。なお、厳しい菜食をしている人や、胃酸の分泌が少ない高齢者、胃を切除した人は、ビタミンB12が不足しやすいため注意が必要です。

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