ナイアシンの過剰摂取による病気・過剰症

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ナイアシンは水溶性のため、過剰摂取しても排泄されるため体の組織や器官内にたまることはありません。しかし稀に顔面紅潮や皮膚がかゆくなる等の症状が出ることがあります。個人差はありますが、ナイアシンを過剰摂取により、神経過敏、肝機能障害、頭痛、腸けいれん、下痢などの副作用がおこる可能性があります。

 

ナイアシンの摂取基準については以下を確認してください。

ナイアシンの機能・役割と食事摂取基準

 

肝機能障害

ナイアシン徐放剤を1日2000mg以上で肝障害の可能性があります。体の中に摂取したナイアシンは肝臓で分解される仕組みになっています。一度に大量のナイアシンを摂取すると肝臓が多くのナイアシンを分解するため過剰に働きます。このため、肝臓に大きな負担が掛かり、これが原因で肝臓機能が低下して何らかの症状が出る可能性があります。

 

ナイシンフラッシュ

ナイアシンフラッシュは、ナイアシンを、サプリメントで大量摂取することで起こる副作用です。ナイアシンを1日100mg以上の摂取で起こるとされています。ナイアシンフラッシュが起こると、皮膚が赤くなったり、発熱、かゆみ、ヒリヒリするなどの刺激症状が出ます。ナイアシンフラッシュは、ナイアシンを摂取することでプロスタグランディンD2、E2、セロトニンと呼ばれる物質が産生されることで起きます。これにより、急激に血液循環が促され、顔や耳が赤くなる、全身や手足の末端が温かく感じる、かゆみを感じるなどの炎症やアレルギーと同様の反応が出ます。独特の感覚を引き起こすため、故意に摂取する方がいるようですが、医療行為以外での過剰摂取は控える必要があります。

 

頭痛

ナイアシンには、血管拡張の作用があります。このため、ナイアシンを過剰摂取すると血管拡張作用によって頭痛が発生してしまう可能性があります。血管拡張作用が強くでてしまうことで脳の血管が拡張されて周辺のある神経を刺激し、この刺激が原因で片頭痛などの症状がおこる可能性があります。

 

消化不良、下痢、便秘

医療行為においてナイアシンを1日に3~6g使用した場合、消化器系において、消化不良、下痢、便秘を起こす例が報告されています。

 

神経過敏

ナイアシンは脳の活性化や様々なホルモンの合成に関わっています。このため、ナイアシンの過剰摂取によって必要以上に脳やホルモンが活性化され、神経過敏の症状が出る可能性があります。

 

糖尿病

ナイアシンの過剰摂取は血糖値を上昇させる可能性があり、糖尿病では注意が必要です。ナイアシンを過剰に摂取すると、血液中の血糖値を下げるインスリンの働きを、妨害してしまうという報告があります。インスリンは、糖尿病患者の血糖値を下げる治療薬として、体内でただ1つ血糖値を下げるホルモンです。ナイアシン(ニコチン酸)には血糖値を上げる働きがあると言われています。このため、にナイアシンを過剰摂取すると糖尿病のリスクが上がるという報告があります。このため、糖尿病の人がナイアシンを積極的に摂り入れると糖尿病の症状を重症化させる可能性があります。

 

痛風

ナイアシンの過剰摂取は尿酸値を上昇させる可能性があり痛風では注意が必要です。ナイアシンを過剰摂取した場合、血液中の尿酸値が上昇します。尿酸値が上昇すると痛風になる可能性があります。

 

その他

医療行為として、血液中の高いコレステロールと中性脂肪(脂質)の値を下げるために、高用量のニコチン酸が処方されることがあります。ニコチン酸の過剰摂取により、ほてり、かゆみ、痛風、肝障害(まれ)、血糖値の上昇が生じることがあります。このため、上記に挙げた病気に心当たりがある場合、必ず医師に相談することをおすすめします。

 

 

ナイアシンの不足・欠乏については以下を確認してください。

ナイアシンの不足と生活習慣病・病気

ナイアシンの不足・欠乏の症状

 

ナイアシンの効果・効能については以下を確認してください。

ナイアシンの効果・効能

 

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