カリウムの不足と生活習慣病と病気

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カリウムは多くの食品に含まれており、通常の食生活で不足になることはありません。ただし、下痢、多量の発汗、利尿剤の服用している場合、不足する可能性があります。日本人はナトリウムの摂取量が諸外国に比べて多いため、ナトリウムの摂取量の低下に加えて、ナトリウムの尿中排泄を促すカリウムの摂取が重要です。また、ストレスがあるときに副腎から分泌されるアルドステロンの分泌が増えると、ナトリウムを体内に溜め込み、カリウムの尿中排泄を増やします。そのため、ストレスが続いているときはカリウム不足になりやすいといえます。ストレスが極期になると、逆にアルドステロンの分泌が減り、ナトリウムの尿中排泄が進み、脱水傾向がみられるようになってきます。ナトリウムの不足による脱水症状はナトリウムの不足と生活習慣病と病気を参考にしてください。

 

脳卒中・心血管病(生活習慣病)

研究ではカリウム摂取の増加は脳卒中のリスクを減らした報告があります。さらに、一般集団を対象とした研究では、ナトリウム/カリウム摂取比が心血管病リスク増加や全死亡に重要であるという報告もあります。WHOのガイドラインでは、カリウム摂取量90mmol(3,510mg)/日以上を推奨していて、これは90~120mmol/日のカリウム摂取で収縮期血圧が7.16mmHg有意に低下したことを根拠としています。

 

低カリウム血症

カリウムは、体液の浸透圧調整、筋肉の収縮、神経伝達に関与しています。このためカリウム不足になると、消化管や筋肉、腎臓、神経系に障害を受けやすくなります。なんらかの原因で血清中のカリウム濃度が3.5mEql以下に低下した状態を低カリウム血症といいます。電解質代謝異常症の1つです。腎からの排出亢進により発生する場合があるため、必ずしも摂取不足が原因になるわけではありません。軽度であれば、無症状、または若干の高血圧や不整脈が現れ、中程度になると、筋力低下や筋肉痛、悪心、嘔吐、便秘、痙攣などの諸症状を引き起こします。
重度の場合、四肢麻痺や自律神経失調、筋肉痙攣、呼吸筋麻痺、不整脈、麻痺性腸閉塞などに至ります。深刻な症状になると、骨格筋の壊死により呼吸不全に陥ることもあります。その他の症状としては、多尿・多飲、不安、イライラ、抑うつ、睡眠障害、乾燥肌などの症状が見られます。

 

筋肉の異常

カリウムは筋肉の収縮や弛緩に関わり、シグナルとなり筋肉が収縮や弛緩の反応がおこします。カリウムが不足すると、痙攣、不整脈、全身の脱力感といった症状が出る可能性があります。

 

精神障害

カリウムは脳と体の各機能との情報伝達に関わっています。このため、カリウムの不足は体の機能を低下させます。低カリウム血症の重度の症状で四肢麻痺や自律神経失調といった状態が発生する可能性があります。

 

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