カリウムは摂りすぎても大丈夫?耐容上限量と高カリウム血症の症状、腎臓病・血圧の薬・代替塩の注意

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カリウムは多くの食品に含まれていますが、腎臓の機能が正常で、カリウムのサプリメントなどを使わない限り、摂りすぎになるリスクは低いと考えられています。ただし、腎臓の機能に障害がある人は注意が必要です。

この記事では厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)などをもとに、カリウムを摂りすぎたときに起こることと、高カリウム血症の症状・治療、サプリメントの注意をまとめます。

 

カリウムの耐容上限量と目標量

カリウムは摂りすぎになるリスクが低いため、耐容上限量(これ以上摂ると健康障害のリスクが高まる量)は設定されていません。

むしろ、生活習慣病を防ぐために多く摂ることが勧められており、成人の目標量は男性が1日3,000mg以上、女性が1日2,600mg以上です。カリウムには、食塩の摂りすぎで血圧が上がるのを打ち消す働きがあり、高血圧の人ではカリウムの摂取量を増やすと血圧が下がることが示されています。

カリウムの摂取基準についてはカリウムの機能・役割と食事摂取基準を確認してください。

 

腎臓の病気がある人の注意

腎臓に障害がある人では、カリウムが体の外にうまく出ていかず、血液中のカリウムが多くなりすぎる高カリウム血症が起こることがあります。このため、腎障害のある人はカリウムを積極的に摂ることは避けるべきとされています。

高血圧の治療の指針では野菜や果物を積極的に食べることが勧められていますが、カリウムを制限する必要がある腎障害の人は除かれています。腎臓の病気で治療を受けている人は、カリウムの摂り方について医師の指示に従ってください。

減塩用の塩の中には、食塩の一部を塩化カリウムに置き換えた代替塩があります(研究で分かっていることはカリウムの効果とは?の記事にまとめています)。世界保健機関(WHO)のガイドラインは、代替塩を勧める対象を一般の成人とし、腎臓に障害がある人やカリウムを体の外に出しにくい人は対象から外しています。家族に腎臓の病気がある人など高カリウム血症になりやすい人がいる家庭でも、代替塩は使わないよう示しています。

 

薬を飲んでいる人の注意

腎臓の病気がなくても、薬によってカリウムが尿に出にくくなり、血液中のカリウムが多くなることがあります。MSDマニュアル家庭版では、次のような薬が挙げられています。

  • ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)などの血圧の薬
  • スピロノラクトン、エプレレノン、トリアムテレンなど、カリウムを体に残す利尿薬
  • 非ステロイド性抗炎症薬(痛み止め)

米国オレゴン州立大学のライナス・ポーリング研究所の解説では、カリウムのサプリメントといっしょに使うと高カリウム血症のリスクが上がる薬として、上のほかに次のものも挙げられています。

  • ヘパリン(血液を固まりにくくする薬)
  • トリメトプリム・スルファメトキサゾール、ペンタミジン(感染症の薬)
  • ジギタリス(心臓の薬)
  • β遮断薬、α遮断薬(血圧の薬)

高カリウム血症が重くなると、不整脈が起こることがあります。これらの薬を飲んでいる人は、カリウムのサプリメントを使う前に医師や薬剤師に相談してください。

 

カリウムのサプリメントで摂るときの注意

ライナス・ポーリング研究所によると、カリウムのサプリメントで最も多い副作用は、吐き気、嘔吐、おなかの不快感、下痢といった消化器の症状です。腸で溶けるように作られた塩化カリウムの錠剤では、腸に潰瘍ができたという報告があります。食事といっしょに飲むと、消化器の症状が減ることがあるとされています。発疹が出ることもあります。

腎臓の機能が正常な人では、サプリメントで高カリウム血症が起こることはまれです。ただし、多く摂ることに慣れていない人が一度に18gを超えるカリウムを飲むと、腎臓の機能が正常でも重い高カリウム血症になることがあるとされています。

 

高カリウム血症の症状と検査・治療

MSDマニュアル家庭版によると、腎臓が正常であれば、食事でカリウムを多く摂ること自体が高カリウム血症の原因になることは通常ありません。

高カリウム血症が軽いうちは、ほとんど症状がなく、ときに筋力の低下がみられる程度です。重くなると不整脈が起こることがあり、血液中のカリウムが極めて高くなると心臓が止まることもあります。不整脈などの症状が出るころには、高カリウム血症はすでに重くなっているとされています。

このため、高カリウム血症の多くは、一般的な血液検査や心電図検査の際に見つかります。腎臓の病気がある人や、上に挙げた薬を飲んでいる人は、医師の指示どおりに血液検査を受けてください。

ライナス・ポーリング研究所の解説では、手足のしびれや一時的なまひも症状として挙げられています。

治療では、原因となっている病気を治療します。軽い場合は、カリウムの摂取を減らし、カリウムが体の外に出るのを妨げる薬を医師の判断で中止したり、利尿薬や腸でカリウムを吸着する薬を使ったりします。重い場合は、心臓の状態を見ながら急いで血液中のカリウムを下げる治療を行い、効果がないときや腎不全があるときは透析を行います。

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