銅(copper)は原子番号29、元素記号Cuの、金、銀と同じく11族に属する遷移金属元素で、微量ミネラルに分類されます。銅は成人の生体内に約80mg存在し、約50%は筋肉や骨、約10%は肝臓中に存在しています。細胞内の過剰の銅は毒性を示すため、体内銅の恒常性は吸収量と排泄量の調節によって厳密に維持されています。体の維持に必要な必須ミネラルです。
銅の機能・役割
銅は約10種類の酵素の関わりがあり、酵素と結合して触媒反応が起こす酵素の部分である活性中心として、エネルギー生成、鉄代謝、細胞外マトリクスの成熟、神経伝達物質の産生、活性酸素の除去、骨の形成を補助する役割を担っています。特に銅は赤血球中のヘモグロビンを生成するために鉄を運搬し、鉄とヘモグロビンを結びつける役割があります。なお、ヘモグロビン中には銅は存在していません。
銅の効果については銅の効果-効能と不足-欠乏の症状ご覧ください。
銅の食事摂取基準
銅の食事摂取量は以下の通りです。
銅の食事摂取基準(mg/日)(男性)
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 |
---|---|---|---|---|
0~5(月) | - | - | 0.3 | - |
6~11(月) | - | - | 0.3 | - |
1~2(歳) | 0.2 | 0.3 | - | - |
3~5(歳) | 0.3 | 0.4 | - | - |
6~7(歳) | 0.4 | 0.5 | - | - |
8~9(歳) | 0.4 | 0.6 | - | - |
10~11(歳) | 0.5 | 0.7 | - | - |
12~14(歳) | 0.7 | 0.8 | - | - |
15~17(歳) | 0.8 | 1.0 | - | - |
18~29(歳) | 0.7 | 0.9 | - | 10 |
30~49(歳) | 0.7 | 1.0 | - | 10 |
50~69(歳) | 0.7 | 0.9 | - | 10 |
70以上(歳) | 0.7 | 0.9 | - | 10 |
銅の食事摂取基準(mg/日)(女性)
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 |
---|---|---|---|---|
0~5(月) | - | - | 0.3 | - |
6~11(月) | - | - | 0.3 | - |
1~2(歳) | 0.2 | 0.3 | - | - |
3~5(歳) | 0.3 | 0.4 | - | - |
6~7(歳) | 0.4 | 0.5 | - | - |
8~9(歳) | 0.4 | 0.5 | - | - |
10~11(歳) | 0.5 | 0.7 | - | - |
12~14(歳) | 0.6 | 0.8 | - | - |
15~17(歳) | 0.6 | 0.8 | - | - |
18~29(歳) | 0.6 | 0.8 | - | 10 |
30~49(歳) | 0.6 | 0.8 | - | 10 |
50~69(歳) | 0.6 | 0.8 | - | 10 |
70 | 0.6 | 0.7 | - | 10 |
妊婦は以下の付加量が必要です。
- 推定平均必要量に+0.1mg/日
- 目安量に+0.1mg/日
※数値未入力の項目についてはデータがない、またはデータ不足のため未記載となっています。
銅を取得できる食物
レバー、魚介類、種実類、豆類、ココアなどに含まれます。
銅が不足した場合の影響
銅は約10種類の酵素の関わりがあり、酵素と結合して触媒反応が起こす酵素の部分である活性中心として、エネルギー生成、鉄代謝、赤血球や白血球細胞の成熟、細胞外マトリクスの成熟、神経伝達物質の産生、活性酸素の除去、骨の形成、成長を補助する役割を担っています。このため、不足すると体のいたるところに病気や症状がでる可能性があります。
銅の不足・欠乏については以下をご覧下ください。
銅の過剰摂取
銅は通常の食品において過剰摂取が生じる可能性はありません。ただし、サプリメントの不適切な利用に伴って過剰摂取が生じる可能性があります。
銅の過剰摂取については銅の過剰摂取による副作用(過剰症)をご覧ください。
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