ビタミンB1の化学名はチアミンで、正式な化学名は2〔3─[─(4─アミノ─2─メチル─ピリミジン─5─イル)メチル]─4─メチル─チアゾール─5─イル〕エタノールです。水溶性ビタミンに分類されます。ビタミンB1にリン酸が一つ結合したチアミンモノリン酸(TMP)、二つ結合したチアミンジリン酸(TDP)、三つ結合したチアミントリリン酸(TTP)が存在します。チアミンモノリン酸、チアミンジリン酸、チアミントリリン酸のいずれも消化管でビタミンB1に消化された後、吸収されます。
ビタミンB1の機能・役割
ビタミンB1は体内でエネルギーへと変換する役割を持った補酵素です。補酵素型のTDPとして、グルコース(炭水化物や糖)の代謝と分枝アミノ酸代謝に関与します。また、ビタミンB1は脳の中枢神経や末梢神経に関わり、神経機能の正常化や心臓機能を守る働きがあります。筋肉疲労を予防・回復する効果もあります。
ビタミンB1の効果・効能については以下を確認してください。
ビタミンB1の食事摂取基準
ビタミンB1の食事摂取基準は以下の通りです。
ビタミンB1の食事摂取基準(mg/日)(男性)
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 |
---|---|---|---|
0~5(月) | ─ | ─ | 0.1 |
6~11(月) | ─ | ─ | 0.2 |
1~2(歳) | 0.4 | 0.5 | ─ |
3~5(歳) | 0.6 | 0.7 | ─ |
6~7(歳) | 0.7 | 0.8 | ─ |
8~9(歳) | 0.8 | 1.0 | ─ |
10~11(歳) | 1.0 | 1.2 | ─ |
12~14(歳) | 1.2 | 1.4 | ─ |
15~17(歳) | 1.3 | 1.5 | ─ |
18~29(歳) | 1.2 | 1.4 | ─ |
30~49(歳) | 1.2 | 1.4 | ─ |
50~69(歳) | 1.1 | 1.3 | ─ |
70以上(歳) | 1.0 | 1.2 | ─ |
ビタミンB1の食事摂取基準(mg/日)(女性)
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 |
---|---|---|---|
0~5(月) | ─ | ─ | 0.1 |
6~11(月) | ─ | ─ | 0.2 |
1~2(歳) | 0.4 | 0.5 | ─ |
3~5(歳) | 0.6 | 0.7 | ─ |
6~7(歳) | 0.7 | 0.8 | ─ |
8~9(歳) | 0.8 | 0.9 | ─ |
10~11(歳) | 0.9 | 1.1 | ─ |
12~14(歳) | 1.1 | 1.3 | ─ |
15~17(歳) | 1.0 | 1.2 | ─ |
18~29(歳) | 0.9 | 1.1 | ─ |
30~49(歳) | 0.9 | 1.1 | ─ |
50~69(歳) | 0.9 | 1.0 | ─ |
70以上(歳) | 0.8 | 0.9 | ─ |
妊婦の場合は以下の付加量が必要です。
- 推定必要量に+0.2mg/日
- 目安量に+0.2mg/日
ビタミンB1を取得できる食物
肉、豆、玄米、チーズ、牛乳、緑黄色野菜などに含まれます。
ビタミンB1が不足した場合の影響
ビタミンB1が不足することで神経炎や脳組織への障害が生じます。ビタミンB1欠乏症は、脚気とウェルニッケ・コルサコフ症候群があります。
ビタミンB1の不足・欠乏については以下を確認してください。
ビタミンB1の過剰摂取
通常の食品で可食部100g当たりのビタミンB1含量が1mgを超える食品は存在しません。通常の食品の摂取で過剰摂取による健康障害が発現したという報告はありません。ビタミンB1過剰症では、頭痛、いらだち、不眠、速脈、脆弱化、接触皮膚炎、かゆみなどの症状が現れます。
ビタミンB1の過剰摂取については以下を確認してください。
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