ビタミンEは過剰摂取しても輸送たんぱく質の働きにより吸収量が調整されるため、過剰症の報告はほとんどありません。ビタミンEの過剰摂取による症状として吐き気、下痢、頭痛、体のほてり、むくみ、胃の不快感などが報告されており、3000mg以上の摂取で症状が現れる可能性があります。体内でビタミンEの過剰供給による栄養バランスの乱れによって引き起こされると言われています。過剰に摂取しても心配はほとんどありませんが、低出生体重児にビタミンE(α-トコフェロール)を補充したところ、出血傾向が高まったという報告があるため厚生労働省では上限を決めています。
血液が凝固について
ビタミンEを摂りすぎると、出血のさいに血液が凝固しにくくなると言われています。明確なデータはあまりありませんが、臨床試験のデータによると、ビタミンEを一日に50~260mg程度継続して摂取した被験者らに、出血による脳卒中リスクの増加がみられたという報告があります。
骨粗鬆症リスクについて
慶応大学などの研究グループによって、ビタミンEの過剰摂取が骨粗鬆症を引き起こす可能性が報告されています。正常ラットに高濃度のビタミンEを含んだ100g当たり60mgのビタミンEの餌をを8週間投与した結果、ビタミンEを投与した群の骨量が減少し、骨粗鬆症のような現象が認められたことを報告しています。ただし、マウスに投与したビタミンEの量を人の場合に換算すると、体重比約30mg/kgのビタミンEを飲むことに相当し、かなりの過剰摂取した場合の現象になります。
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