ビタミンEの摂りすぎで起こること|出血しやすくなるリスクと耐容上限量

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ふつうの食事でビタミンEを摂りすぎることは、ほとんど考えられません。ただし、サプリメントなどで大量に摂ると、血が止まりにくくなる(出血傾向)ことがあります。

この記事では厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)や、国立健康・栄養研究所の情報、海外の研究をもとに、ビタミンEを摂りすぎたときに起こることをまとめます。

 

ビタミンEの耐容上限量

耐容上限量(これ以上摂ると健康障害のリスクが高まる量)は、サプリメントなど食事以外から摂ったときに起こる血液の固まりにくさ(血液凝固障害)を避けるために決められています。成人(18歳以上)では、男性が1日800mg、女性が1日650~700mgです(α-トコフェロールの量)。乳児、妊婦・授乳婦の耐容上限量は設定されていません。

健康な成人では、α-トコフェロールを1日800mgまで摂っても健康障害は見られないとされています。高用量のビタミンE(最高で1日727mg)を4か月間摂った試験でも、血液が固まるまでの時間がはっきり延びることはありませんでした。

子どもの耐容上限量は年齢によって違い、1~2歳の1日150mgから、年齢が上がるにつれて高くなります。年齢別の値は次のとおりです。

年齢 男性(mg/日) 女性(mg/日)
1~2歳 150 150
3~5歳 200 200
6~7歳 300 300
8~9歳 350 350
10~11歳 450 450
12~14歳 650 600
15~17歳 750 650
18~29歳 800 650
30~49歳 800 700
50~64歳 800 700
65~74歳 800 700
75歳以上 800 650

※日本人の食事摂取基準(2025年版)の値です。α-トコフェロールについて決められた値で、ほかのビタミンEは含みません。0~11か月の乳児の値はありません。

ビタミンEの摂取基準についてはビタミンEの機能・役割と食事摂取基準を確認してください。

 

ビタミンEを摂りすぎたときに起こること

出血しやすくなる

ビタミンEの過剰症として、出血しやすくなることが挙げられます。ビタミンKが不足している状態では、高用量のα-トコフェロールで血液が固まる働きに障害が起こることが報告されています。

MSDマニュアル家庭版によると、ビタミンEの摂りすぎによる中毒はまれで、多くの大人は比較的多めのビタミンEを数か月から数年摂っても、はっきりした害は出ないとされています。非常に多く摂ったときのいちばんのリスクは出血で、まれに筋力の低下、疲れ、吐き気、下痢が起こることもあります。治療はサプリメントをやめることで、出血があるときは、血を止めるためにビタミンKを使うことがあります。

脳出血・前立腺がんの報告

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、耐容上限量より少ない1日300mg程度のビタミンEを補った研究でも、出血性脳卒中や前立腺がんのリスクが上がったという報告があるとしています。ただし、報告の数は少なく、十分な科学的根拠は得られていないとされています。

海外では、次のような研究があります。

  • 9つのランダム化比較試験(約12万人)をまとめたメタアナリシスでは、ビタミンEのサプリメントで脳卒中全体は変わりませんでしたが、脳出血などの出血性脳卒中は22%増え、脳梗塞などの虚血性脳卒中は10%減っていました。ビタミンEを摂る1,250人に1人の割合で出血性脳卒中が増える計算で、著者らは、だれもが広くビタミンEを使うことに注意を促しています。
  • 健康な男性約3万5千人を対象にした大規模なランダム化比較試験SELECTでは、ビタミンEを1日400IU(国際単位)飲んだグループで、前立腺がんが偽薬(プラセボ)のグループより17%多く見つかりました。

研究では、ビタミンEの量をIU(国際単位)で書くことがあります。米国オレゴン州立大学のライナス・ポーリング研究所によると、mgへの換算はビタミンEの種類で違い、天然のものは1IUが0.67mg、合成のものは1IUが0.45mgです。1日400IUは、天然のもので268mg、合成のもので180mgに当たり、上の表の成人の耐容上限量より少ない量です。

 

サプリメントで摂るときの注意

ビタミンEのサプリメントを過剰に摂ると死亡率が高まるという報告もあり、摂りすぎへの警告となっています。19の試験をまとめたメタアナリシスでは、1日400IU以上の高用量のビタミンEを使った試験で、死亡のリスクがわずかに高くなっていました。ただし、高用量の試験は規模が小さく、慢性の病気がある人を対象にしたものが多いため、健康な人に当てはまるかははっきりしていません。

また、アスピリンなどの薬にビタミンEと魚油を一緒に使って、出血や血液の固まりの異常が起きたという報告があります。血液をさらさらにする薬を飲んでいる人は、サプリメントを使う前に医師や薬剤師に相談してください。MSDマニュアル家庭版でも、ワルファリンなどの血液を固まりにくくする薬を飲んでいる人は、多量のビタミンEで出血のリスクが高まりやすいとされています。

ビタミンEを含む栄養機能食品は、1日に摂る目安の量に含まれるビタミンEが1.89~150mgの範囲に決められていて、成人の耐容上限量より少ない量です。また、「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。」という注意の表示が必要です(国立健康・栄養研究所 HFNet)。

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