ビタミンAは皮膚や粘膜の機能維持、視覚の機能維持、成長などに関与しているため、ビタミンAが不足すると皮膚の感想、粘膜の乾燥、夜盲症、成長障害、胎児の奇形などが起こる可能性があります。
生活習慣病
生活習慣病の発症に対する有益な効果はいまだ明確になっていません。また、重症化に関連する論文もありませんでした。生活習慣病の病気に関しては参考としてください。
動脈硬化
β-カロテンはビタミンAの前駆物質としてだけでなく、活性酸素を除去する抗酸化作用を持ち、悪玉コレステロール(LDL)を減らす効果があります。このため、β-カロテンが不足するとがんの要因となる悪玉コレステロール(LDL)の酸化を抑えることができなくなり、動脈硬化のリスクが高くなります。
がん
ビタミンAの前駆物質のβ-カロテンをはじめとしたカロテノイドには発ガン抑制効果があります。β-カロテンの多い食事をしている人には、脾臓がん、肺がん、胃がんなどのがん抑制効果が、α-カロテンには肺がんの抑制効果が、リコピンには肝臓ガンや乳腺ガンの抑制効果がみられるといった研究報告もあり、カロテノイドの種類によって様々ながん抑制効果があります。がん治療をほどこした肝癌患者への合成レチノイド(ビタミンA)の投与で再発率の著しい低下が見られたといった報告があります。ビタミンAを多く摂っている人ほどガンの発生率が低いということが報告されています。このため、ビタミンAが不足すると発ガンするリスクが高まる可能性があります。
夜盲症(鳥目)
ビタミンAのレチナールは視覚色素であるロドブシンの構成成分です。暗部の視覚を担当するのはロドプシンになります。レチナールは光の刺激により化学変化を起こし、光がなくなると元に戻ります。この働きにより目の明暗を感知する働きに関与します。ビタミンAが不足すると光の感受性が落ちて、暗順応が遅延してきます。暗順応とは急に暗いところに入ったときに、徐々に目がなれてくる反応のことです。これが進行すると暗いところで物が見えにくくなる夜盲症になります。ロドプシンはビタミンAと補体から成るため、ビタミンAが不足不足すると暗部の視力低下につながります。
ドライアイ
ビタミンAは結膜や角膜の表面の細胞や機能を正常に保つための粘液(ムチン)の分泌を促す作用があります。このため、ビタミンAが不足するとドライアイになる可能性があります。
皮膚乾燥症
ビタミンAのレチノールはコラーゲンを増たり、ビタミンAからできるレチノイン酸はムコ多糖の生合成を促進して細胞膜の抵抗性を増強する働きがあります。このため、ビタミンAが不足すると皮膚の乾燥が起こります。
成長障害・奇形
骨の骨端軟骨は骨端側より長軸方向に静止層、増殖層、肥大層、石灰化層の4層ありますが、ビタミンAは骨端軟骨の増殖層の増殖に関与しています。ビタミンAは骨の長軸方向の成長に欠かせないビタミンのため不足すると成長に影響がでます。また、胎児にとっても体の形成に必要なため、奇形のリスクが高まります。
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