ビタミンAは視覚の機能維持、皮膚や粘膜の機能維持、成長などに関与しているため、それらに関連する症状がでます。ただし、成人が4か月にわたってビタミンAの含まれていない食事しか摂取していない場合でも、肝臓内ビタミンA貯蔵量が20μg/g以上に維持されていれば血漿レチノール(ビタミンA)濃度は正常値が維持されます。つまり、肝臓内貯蔵量の最低値(20μg/g)が維持されている限り、免疫機能の低下や夜盲症のような比較的軽微なビタミンA欠乏症状にも陥ることはありません。
夜盲症(鳥目)の症状
ビタミンAのレチナールは視覚色素であるロドブシンの構成成分で、暗部を視覚を見えるようにする働きがあります。このため、ビタミンAが不足すると、暗部の視力低下、目がよく見えなくなるといった症状がでます。不足状態が長く続いた場合は失明する可能性もあります。
ドライアイの症状
ビタミンAは結膜や角膜の表面の細胞や機能を正常に保つための粘液(ムチン)の分泌を促す作用があります。このため、ビタミンAが不足するとドライアイになり、目が乾燥する症状が出る可能性があります。
皮膚乾燥症の症状
ビタミンAのレチノールはコラーゲンを増たり、ビタミンAからできるレチノイン酸はムコ多糖の生合成を促進して細胞膜の抵抗性を増強する働きがあります。このため、ビタミンAの不足は肌の乾燥、肌荒れ、口内炎などといった症状が出る可能性があります。
成長障害・奇形の症状
ビタミンAは骨端軟骨の増殖層の増殖に関与しており、骨の長軸方向の成長に欠かせないビタミンです。このため、ビタミンAが不足すると成長に影響がでます。骨・歯の発育不良と変形といった症状が出る場合もあります。ビタミンAが不足すると奇形のリスクが高まりますが、過剰摂取でも奇形のリスクが高まります。食事摂取基準をなど参考にし、適切な量のビタミンAを摂取してっください。
その他の症状
髪の毛が抜けやすくなったり、爪が弱くなったり、髪、爪全体に艶がなくなります。その他、免疫機能の低下、食欲不振、筋肉の弱化、腎炎、運動失調、精子形成不全などの症状が出る場合があります。
ビタミンA不足による症状まとめ
ビタミンAの不足による症状は以下の通りです。
- 夜盲症、鳥目、暗部の視力低下、目がよく見えなくなる、目の乾燥、失明
- 肌の乾燥、肌荒れ、髪の毛が抜けやすい、爪が弱くなる、髪・爪の艶がなくなる
- 成長不良、骨・歯の発育不良、変形、奇形
- 口内炎、腎炎
- 食欲不振
- 筋肉の弱化
- 運動失調
- 精子形成不全
- 免疫機能の低下
関連記事
コメント