ビタミンDの過剰摂取による病気・過剰症

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ビタミンDの過剰摂取により、高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化障害などが起こる可能性があります。ビタミンDは紫外線によって皮膚で合成することが可能ですが、合成量は調節されており、必要以上のビタミンDは合成されません。このため、紫外線によるビタミンD過剰症は起こりません。通常の食生活であれば過剰症になることはほとんどありませんが、サプリメントなどにより過剰に摂取する場合、過剰症になる可能性があるため注意が必要です。ビタミンDは体内では筋肉や脂肪で蓄えられ、少しづつ血液中に放出されます。過剰症が起きた場合、ビタミンDの摂取をやめてもすぐには回復せず、症状が半年以上も続いた報告があります。カルシウム濃度が高くなるため、カルシウムが腎臓、血管、肺、心臓など体中に沈着します。これにより様々な障害を起こす可能性があります。

 

ビタミンD過剰症・高カルシウム血症

ビタミンDを短期的、または長期的に過剰摂取すると、腸管からのカルシウムの吸収が促進されるために血中カルシウムの濃度が上昇します。また、骨からのカルシウムの溶出が激しく起こる場合があり、血清中のカルシウム濃度が高くなることがあります。これにより血中のカルシウム濃度が正常値よりもかなり高くなる高カルシウム血症になる可能性があります。これにより、過剰なカルシウムが血管壁、腎臓、脳、筋肉への沈着や軟組織の石灰化を起こします。初期症状として、食欲不振、吐き気、嘔吐が生じ、続いて極端なのどの渇き、脱力感、神経過敏、高血圧が起こります。その他、悪心、便秘、下痢、体重減少、多尿、昏睡、痙攣などが起こる可能性があります。

 

腎不全・尿毒症

ビタミンDを長期間、過剰摂取すると、血液中のカルシウム濃度が上昇して、血管の内壁や心臓、肺、胃、腎臓などの内蔵に、カルシウムが沈着しやすくなります。特に腎臓にカルシウムが大量に沈着した場合、腎不全や尿毒症を起こす可能性があります。また、稀にたんぱく尿、尿円柱、高窒素血症が起こる可能性があります。

 

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