PFCバランスとは、1日に摂るエネルギーのうち、たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)からそれぞれ何%を摂るかという割合のことです。食事摂取基準では「エネルギー産生栄養素バランス」と呼ばれています。
この記事では、PFCバランスの目標量と考え方を、厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2025年版)の「エネルギー産生栄養素バランス」の章をもとに説明します。
PFCバランスの目的
エネルギーをつくる栄養素には、たんぱく質、脂質、炭水化物、アルコールがあります。PFCバランスは、これらの栄養素と、その中に含まれるさまざまな栄養素が不足しないようにしたうえで、生活習慣病の予防や悪化の防止を主な目的としています。そのため、指標は「目標量」として示されています。
なお、乳児(1歳未満)については、母乳の構成をよいバランスと考えるため、目標量は決められていません。
PFCバランスの目標量
2025年版の目標量は、男性と女性で同じ値です。
エネルギー産生栄養素バランスの目標量(%エネルギー)
| 年齢等 | たんぱく質 | 脂質 | うち飽和脂肪酸 | 炭水化物 |
|---|---|---|---|---|
| 1~2(歳) | 13~20 | 20~30 | ─ | 50~65 |
| 3~14(歳) | 13~20 | 20~30 | 10以下 | 50~65 |
| 15~17(歳) | 13~20 | 20~30 | 9以下 | 50~65 |
| 18~49(歳) | 13~20 | 20~30 | 7以下 | 50~65 |
| 50~64(歳) | 14~20 | 20~30 | 7以下 | 50~65 |
| 65以上(歳) | 15~20 | 20~30 | 7以下 | 50~65 |
| 妊婦(初期・中期) | 13~20 | 20~30 | 7以下 | 50~65 |
| 妊婦(後期)・授乳婦 | 15~20 | 20~30 | 7以下 | 50~65 |
※必要なエネルギー量を確保したうえでのバランスです。
※範囲はおおむねの値で、柔軟に使うものとされています。
※炭水化物にはアルコールを含みます。ただし、アルコールを摂ることを勧めるものではありません。
目標量の決め方

2025年版では、次の順番で目標量が決められています。
- はじめに、たんぱく質の目標量(範囲)を決める
- 次に、飽和脂肪酸の目標量(上限)を決め、それをもとに脂質の上限を決める
- 必須脂肪酸(n-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸)の目安量をもとに、脂質の下限を決める
- 残りを炭水化物の目標量(範囲)とする
アルコールもエネルギーになりますが、必須の栄養素ではないため、摂ることを勧める理由はないとされています。
1日のエネルギーから量に直すには

目標量は%で示されているため、グラム数に直すときは、1gあたりのエネルギー(たんぱく質4kcal、脂質9kcal、炭水化物4kcal)で割ります。
たとえば、1日に2,000kcalを摂る18~49歳の人では、次のようになります。
- たんぱく質(13~20%):260~400kcal、65~100g
- 脂質(20~30%):400~600kcal、約44~67g
- 炭水化物(50~65%):1,000~1,300kcal、250~325g
※上の数字は、目標量の%から計算した例です。必要なエネルギー量は年齢、性別、体格、体を動かす量によって違います。
PFCバランスを使うときの注意
2025年版では、PFCバランスを食事の改善などに使うときに、次の点に注意するよう示しています。
- 範囲の両端は、はっきりした境目ではありません。使う食品成分表によっても計算結果が変わることがあります。また、各栄養素の範囲の下端や上端を足しても100%にはなりません。
- 脂質と炭水化物は、量だけでなく質も大切です。特に、飽和脂肪酸の摂りすぎと、食物繊維の不足に注意が必要です。生活習慣病の予防には、PFCバランスそのものよりも、飽和脂肪酸や食物繊維、たんぱく質をどの食品から摂るかなどのほうが、直接深く関わっていることが多い可能性があるとされています。
- 体が小さい高齢者や、75歳以上で体を動かす量が大きく減った人など、必要なエネルギーが少ない人では、たんぱく質の割合の下限で計算すると推奨量に届かない場合があります。その場合でも、たんぱく質は推奨量以上を摂ることが望ましいとされています。
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